2012年6月アーカイブ

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 今日で19日連続更新となりました。
 このWeblogは今から3年前の2009年6月に開設し、今回のように突如毎日更新したり、半年くらい何も書かなかったりしながら、115回に渡って鉄道に関係する雑記を書いてきたのですが、なぜかハワイに関する内容が一つもないことが分かりました。
 2年前にグアムの話を書いた時、いつかハワイも書くと言いっていた「公約」を今更ですが守ります。

 今から15年ほど前、私が初めて海外へ行った先がハワイでした。
 自分はまったく泳ぎもできないし、買物もまるで興味がない、嫌いな飛行機に長時間詰め込まれ、なおかつ着いた先には鉄道もないじゃないか!(ついでに英語も喋られない!)。
 しかも「ハワイ」という響きに、俗悪的なものも感じて「そんな恥ずかしい場所」なんか行きたくない!とか思っていたのですが、いざ行ってみますと、見事にハマりました......。よくある食わず嫌いです。

 確かにハワイを代表するオアフ島のワイキキあたりは、日本人観光客が多い気もしますし(でも日系人が多いので見た目はそうでも現地人も多かったりする)、いかにも!といった雰囲気のホテルや土産物店などを見ていると、俗悪観光地に見えなくもないのですが、なぜかハワイへ行くと、そうしたことがどうでも良くなるのです。
 ホノルル空港に降り立った瞬間から、あの緩く温かい空気が醸し出す緊張感のなさに溶け込まされるといいますか、時間の流れが違うといいますか、細かいことがどうでも良くなるのです。

 もちろん、海外旅行者によくある妙なハイテンションが生み出す解放感から来てはいるのは確かなのですが、色んな海外の都市やリゾート地へ行ってもハワイのような感覚になる場所は今までにありませんでした。
 国内では沖縄に若干似ているかもしれませんが、それでも違う。とにかく、ハワイへ行くと、頭のなかがすっきりとして、心地よい満足感に満たされるのです。

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 その後、しばらく行けなかったのですが、ある時、仕事でかかわることになり、半年間で2回訪れた年がありました。

 仕事だから今回はあまり面白くないかな、と思ったらそんなことはまったくなく、やはり頭はとろけていますし、行ったこと自体に満足していて、強い興味を持つ地のためか、「取材」という名の仕事もそれなりに進みます。そして、仕事であってもやはり楽しい。

 ただ、私にとって、ハワイでもっとも魅力に感じているのが、仕事では大きくかかわることになったワイキキのビーチでも、豪華なリゾートホテルでも、ありきたりな土産ショッピングモールの類ではありません。
 これらもハワイ独特の緩い雰囲気を出すには必要不可欠な存在ですが、最大の魅力は島内をくまなく走り回る黄色いラインの路線バスと、オアフ島以外の「離島」訪問ではないかと思っています。

 これを書き始めると恐ろしく長くなりそうなので、西村流のハワイの魅力についは、明日以降に延々と書くことにします。

※なお、ハワイにはサトウキビ運搬列車の廃線跡を活用した観光鉄道が、オアフ島マウイ島にそれぞれ存在しています。
※このほか、車の渋滞対策としてホノルル地区に鉄道を走らせようという動きが最近かなり具体化して動き出しているようです。近い将来に沖縄のように「鉄道」が生まれる可能性が高くなっています。
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 今日で18日目になりました。
 私がたまたま「都道府県」すべてに住んだことがあることから、以前「都道府県な人生」という内容をここで書いたことがありました。今回はちょっと無理やり気味ですが、今まで住んだ4つの場所は、すべて終着駅・始発駅になっていたことに気づきました。

 生まれ育った大阪の門真(かどま)市という所は、パナソニックの城下町として一部の業界人には相当有名なのですが、私の住んでいたのは市の端っこ(我が家の前を流れる川の向こうは寝屋川市)であり、最寄駅は京阪電車の萱島(かやしま)という駅でありました。
 大阪寄りで京阪電車を利用する方なら、「ああ、萱島ですか」とほとんど知っておられると思います。萱島の次の京都寄り・寝屋川市駅との間に車庫があり、萱島駅を始発着とする列車がかなりあるのです。そんなわけでここは知りたくはなくても、いつの間にか「萱島」という名が沿線住民の頭に刷り込まれることになります。

 次に住んだのが北海道の旭川市。市街地のなかで、最も端っこにある近文(ちかぶみ)という駅が最寄駅でありました。
 ほとんどの列車が旭川を起点に動いているので、近文は始発着駅というわけではないのですが、実は一日一本だけ始発着列車があるんです。函館本線は電化しているにも関わらずディーゼルカーの列車で、往路は近文駅近所にある運転免許試験場や高校のために、復路は旭川市内へ通う近所の住民のために存在しています。
 私がこの近文の地に住んだのも、この列車で通勤できることにありました。

 そして次が東京都江東区の亀戸(かめいど)です。
 この亀戸という地は、江東区の端にあって、少し歩けば墨田区になるような場所です。墨田だと思っている方も多いかもしれません。
 黄色い総武線電車の駅である亀戸に始発着列車などないだろう、とか思われるかもしれませんが、実は東武の亀戸線というローカル支線が乗り入れていまして、見事に始発着駅なんです。行き止まり式の小さなホームから2両編成の列車に乗って曳舟や浅草に行くのが密かな楽しみでありました。

 今住んでいる所は横浜市の最西端となる日吉(ひよし)という地。ここは行政区分的に「横浜」ではあるのですが、少し歩けば川崎市という場所にあたります。
 2008年に東急目黒線がこの駅まで伸びて来たため、今や東京メトロ南北線、都営三田線の直通列車の始発着駅となっています。両地下鉄を使っている方は「日吉」の名を幾度も聴く機会があるはずです。
 そしてもう一つ、マイナーなんですが、同じく2008年には横浜市の地下鉄グリーンラインなるものまで開通していまして、その始発着だったりもするのです。08年以前には影も形もなかった路線が2つも出現し、この街はまるで鉄道バブル?のような状態です。

 どうだ、始発着列車で毎日座って行けるなんてすごいだろう、などと意味なき自慢話を書こうと思っていたら、今、気が付いたことがありました。
 これまで私が住んだところがなぜかすべて「市」の端っこなのです。

 これは何なのでしょうか。会社の座席もだいたい端だったことを考えると、単に端っこが好きなのか、追いやられているのか、それは自分でも未だ気づいておりません......。

写真は日吉駅近くの折り返し線に停車中の都営三田線車両と東京メトロ南北線車両。最近、この付近は子どもが電車を見るスポットとして人気を集めています。両地下鉄線の車両に加え、南北線に乗り入れる埼玉高速鉄道もありますし、メインの東急東横線、東横線に乗り入れている東京メトロ日比谷線車両、みなとみらい線車両となんと4社6路線の車両がここで見られるんです。我が家の騒音はすごいのですが、愛すべき鉄道の音なのでまったく気になりません。
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 今夜はおそらく深夜に帰宅するであろう、との予測を元に昼間の空き時間に書いています。
 このweblogのタグクラウドにも「終電」というよくわからぬカテゴリ?がありますが、近年は会社員としての生活が荒んでいるゆえか、つまらぬ遊興にふけりすぎゆえかは分かりませんが、終電に乗ることが増えてきました。

 私の住む私鉄沿線では、おおむね0時半くらいが終電なのですが、"救済措置"として終電後にも「深夜バス」なるものがあり、沿線の主要な場所へはタクシー代よりも安価に帰ることができます。

 他の沿線の終電はどのくらいの時刻に設定されているんだろうか、と思って見てみると、新宿駅がもっとも遅いようでした。さすが不夜城。

 山手線は新宿1:00ちょうど発の外回り池袋行(大崎0:42始発→池袋1:09着)と、同じく1時ちょうど発の内回り品川行(大崎始発→山手線を一周回って→品川1:19着)があります。中央線では1時1分に三鷹行の最終各駅停車もあります。

 「おお、新宿発の最終は1時と覚えておけばいいのか。しかも山手線内回り最終に乗れば、渋谷を1時半に出る深夜バスに間に合うじゃないか!」

 嬉しいことか、悲しいことかは分かりませんが、今夜新宿へ赴く私にとって余計な知識が増えたことは確かなようでした。
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 16日目となりました。
 昨日、新聞を読んでいましたら「山梨都民の通勤事情は」(日経6/26朝刊首都圏面)という記事があり、中央本線の大月に近い猿橋や四方津(しおつ)から東京へ通勤している人が8600人ほどいて、その大半が上野原市と大月市だという事が載っていました。

 拙著『週末夜汽車紀行』でも大月で分岐する富士急行線沿線からも東京方面へ1000名ほどの通勤・通学者がいる、といったことを書いたことがあったのですが、そんなことを思い出していると、ふと静岡県内から東京都心へ通う「静岡都民」はどのくらいの数がいるんだろうか? ということが急に気になりました。
 そこで調べてみました。

 静岡県内全体のデータは見つからなかったのですが、東京に近い順に熱海市では660名、三島市は1500名弱、沼津市が1200名弱と東海道本線沿線の3市だけで3300人以上もの「静岡都民」いることが分かりました。
 このなかには熱海と三島の間にある函南(かんなみ)町の数字は入っていないので、実際には3500人くらいいるのかなと想像しています。

 時刻表を繰ってみると、熱海からなら新幹線で東京駅まで45分ほどで行けますし、在来線各駅停車でも約2時間です。しかも東京行列車の始発駅にもなっているので、ラッシュ時でも上り列車は100%の確率で座れそうです。下り最終電車も22時52分まであります。
 定期代は在来線で1カ月8万3040円もするのでちょっと厳しいのですが、これを会社が出してくれるのなら問題はなさそうです。

 三島や沼津は在来線での所要時間が10分~20分伸びるので、熱海よりも少しハードルは高くなりますが、朝と夜には東京直通列車も運転されていますので、実際にその需要があるのかもしれません。こちらも最終電車は22時22分(湘南ライナーを使えば22時30分)まであります。

 海も温泉も近くにあるし、東京へ通うのも無茶ではない。案外静岡に住むのも悪くないな・・・、と調べているうちに少し思ってみたのでした。

※写真は熱海の街並み。海も山も温泉も間近にあります
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 15日目になりました。
 昨年のちょうど今頃(6月24日)は小笠原諸島が世界自然遺産に登録された時期であり、あれから1年が経ったことになります。

 日本で、いや世界でも有数の遠さである小笠原は、東京から1000キロの太平洋上にありますが、飛行場がないために航空便はなく、船で片道25時間30分をかけて行くしかありません。所要時間だけで見るとその遠さは、世界のどこへでも行けるくらいの距離ともいえます。

 たとえば、世界各地を結ぶ飛行機のどんな長距離便に乗っても20時間以上を飛び続ける便はまれですし、以前存在したJALの長距離便、日本(成田)から(ニューヨーク経由)ブラジル(サンパウロ)行でさえ所要時間は片道22時間ほどでした。

 小笠原は東京から片道25時間半という「果てしなく遠い場所」であり、しかも一週間に1回しか船便がないのです。

 そのような場所ゆえに、海や離島好きの一部以外は小笠原を訪れる人は非常に少なく、年間の観光客数はわずか1万5000人ほど。同じ「東京都」の伊豆大島が20万人以上、八丈島が8万人超が訪れていることからすると、いかに少ないかが分かると思います。

 そんな小笠原諸島が世界遺産という表舞台に立って1年。
 小笠原のことがテレビや新聞で流れる件数は恐ろしく伸びていますし、観光客数が例年の2割も3割も増加しているとも言われています。なかには面白半分か自然を荒らす人も出てきているという報道もあります。

 また、船で25時間半という無茶な距離にもかかわらず、時間に余裕のある熟年層が「世界遺産を見たい」ということで遠征した結果、

 「もう船では行きたくない」
 「雑魚寝の2等船室を利用。寝返りもできないほど混雑しており、父島に着いた日は全身が痛んで観光を楽しむ余裕もなかった」
 「帰りの船旅を思うとぞっとした」
 (日経新聞6月25日夕刊、68歳女性の声)

 などということにもなっているそうです。
 その気持ちを理解できなくもありません。

 私は10年来、小笠原へ行くことに憧れて続けていて、来島の際は万全を期したつもりですし、離島への船旅は鉄道旅並みに大好きで、普通の人よりは少しは船旅に強いと自負していますが、それでも太平洋に25時間半揺られ続け、今までの人生で経験したことがない疲労感を感じました。一緒に行った体力だけはあるはずの妻も23時間くらいは「寝たきり」の状態で、3歳の娘は3度も吐いてしまい、大変でした。
 個人的には日本のなかでは、もっとも厳しい旅をしなければ行けない地のように思っています。

 この6月から「自然保護のための来島抑制」(NHK報道)と「2等船室の居住性を改善」(小笠原海運)という理由で、急に2等船室の定員が3割近くも減らされました。

 そのため今年の夏休み中の船便は、ほぼ売切の状態です。これまでは、定員が1000名以上あったため、ほとんど満席などなることはなかったのですが、今や雑魚寝の2等船室でさえ乗船拒否に逢う始末です。
※なお、「島民(小笠原村に住民票がある客)は、父島営業所にお尋ねください」(小笠原海運サイト)とあるので、島民の「足」は別枠で確保していると思われます

 本当に小笠原へ行きたいと思っている人々にとって、ブームが最高潮の今は、その旅を少しの間、見送った方がいいかもしれません。

 蛇足ですが、熟年世代の方や船が苦手な方でどうしても小笠原を訪れたい場合は、少し高いですが1等船室にしたほうが良いかと思われます。3名以上なら「貸切」にできますし、2名までの場合は相部屋が基本ですが、2等船室と比べ、格段に体力が温存できます。また、部屋数も多いので比較的確保しやすいです。

 定員削減が行われた影響で今後は雑魚寝の2等自由席も、以前のように寝返りがうてないような状況だけはなくなりそうなので、体力的には少し緩和されるはずです。

 ただ、気軽に小笠原へ行こうと思った時は、2等でさえ売り切れているかもしれない状況は、非常に残念ですが。

※ご参考までに、お時間があったらどうぞ!
小笠原航海紀(昨年5月のGWに行った際のレポート)
私家版「おがさわら丸」完全乗船術(できうる限り詳細に情報を集めたつもりです)

写真は昨年(2011年)ゴールデンウィーク中の「おがさわら丸」2等船室(自由席)。どこか野戦病院のようですが、若い人が多いせいか特に気にすることもなく、眠っています。
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 毎日更新をなんとか2週間続けることができました。

 今日は昼間に東京丸の内に行く機会がありました。丸の内駅舎(赤レンガ)を戦前の姿に戻す復元工事が終盤に近付いたようで、その姿が現れつつあります。

 さらに重厚さを増した低層横長の駅舎を眺めつつ、やはり東京駅はいいな、と遠くから眺めていたのですが、正面右手を見ると、見慣れないビルが空に伸びている......。

 下部は慣れ親しんだ東京中央郵便局の面影が残ってはいるものの、その上には周辺のビルをコピペしたようなギラギラした高層ビルが乗っかっています。どうやら郵便局が「JPタワー」という名のオフィスビルを作ってしまったようです。

 東京中央郵便局の歴史的な低層建築物は、赤レンガとともに、丸の内に落ち着きをもたらす存在だったのですが、ありきたりの高層タワーがまた増えてしまい残念な気がします。(空間が息苦しくなる)

 とはいえ、東京駅赤レンガはさすが重要文化財なので、ほぼ以前のままで残っています。何か大変なことが起きない限り、これから50年はそのままの姿を維持するはずです。

 まだ10月のオープンまでは駅舎内外がゴチャゴチャしていますが、そろそろ夏の夜風に当たりながらここら辺で完成間際の赤レンガを肴に安酒など飲みたいな・・・、などと夢想しながら仕事へ出かけたのでした。

※ちなみに新丸ビルの7階「丸の内ハウス」という名のテラスから東京駅舎が一望できるのは、この店この店のテラス席です。丸の内ですが、私が行けるくらいですから(特に蕎麦屋はリーズナブル!)、ご安心を......。(ただ蕎麦屋は予約ができませんが)
一度でいいから、ここで赤レンガを眺めながら飲んだ後に、夜汽車に乗って旅立ちたいものです。
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 13日目になりました。
 この夏で私が横浜に移り住んで4年が経ちました。

 ただ、住んでいるのが限りなく東京や川崎に近い場所であり、普段は都心へ通う「横浜都民」です。
 ゆえに日常では"横浜らしさ"のようなものを感じる機会はほとんどないのですが、横浜という街の素晴らしさは、万年最下位のソーシャルゲーム買収球団......(親会社はともかく「横浜ベイスターズ」自体は嫌いではない)ではなくて、やはり「海」や「港」にあると思っています。

 元が大阪人のためか、住む前はどこかおしゃれなイメージがある横浜の海に嫌悪感すら抱いていたりしたのですが、あるきっかけを境に、そんな思いがなくなりました。

 以前、横浜大桟橋に入港したマイナーな欧州のクルーズ船を取材したことがありました。
 一応、船の中は「国外」ということでパスポートを持って、港の税関のようなところを抜けて乗船すると、船は停まったままであっても、やはりそこは「海外」なわけです。船長以下、乗組員も客も全員が欧州の方ですし、船内も(通訳以外は)日本語が一切ありません。

 船のなかではフォークとナイフのみでランチを食し(箸などもちろんない)、船内をくまなく歩きながら船長らの話を聞いて、半日ほど「海外」で過ごして横浜港で"下船"すると、横浜の街がまったく違って見えるわけです。どこか、海外の港にたどり着いたかのようにさえ思えました。

 何より、街並みを見ていて心地よいのです。みなとみらい地区の人工的な高層ビル群はともかく、大桟橋付近は要所要所に古い建物があって都心とは思えないほど落ち着いているのです。
 横浜って、こんなに美しい街だったのか!と驚き、以来、横浜の大桟橋周辺の港街が自分の中での"横浜人"の誇りのようになっています。

 海外から日本へ初めて来る人がいたとしたら、ゴルフ場と工業地帯ばかりが目につく成田や羽田なんかではなく、第一歩は横浜大桟橋から横浜の街を見てほしい。
 日本人として、またわずか4年目の"横浜人"として、これだけは自信と確信を持ってお奨めできます。

※写真は山下公園に係留されている日本郵船の「氷川丸」。1960(昭和35)年まで横浜~シアトル間を結んでいました。この頃までは日本での第一歩を、横浜港から踏み出す海外の訪日客も少なくはなかったはずです。
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 12日目になりました。
 土曜日のため会社が休みの今日は、珍しく朝から順調に用事を済ませ、午後の空いた時間に今から書く内容とはまったく別の記事を書きつつあったのですが......。急変しました。

 ここを日頃読んで下さっているような分別ある有識者はともかく、たまたま見てしまったような方で、客観性やいろんな判断能力がない方は飛ばしてください。まったく愉快な内容ではないはずです。

 今日午後、渋谷駅を16時ちょうどに出発した元町・中華街行の特急列車が16時12分に川崎市の武蔵小杉駅を出発し、次の停車駅である菊名駅(横浜市)に向かう途中、横浜市に入ってすぐの日吉駅1番ホームを通過しようとしたところでした。私が今までに聞いたことがないくらい、明らかに異常を知らせるかのような警笛を連打しながら、8両編成の電車が緊急停止しました。

 それから数分後には、同駅近くにある横浜市消防局の救急車と消防車が相次いで出動。その様子を見ていた私は、ただ事ではない雰囲気を感じ、慌てて日吉駅へ急ぎました。

 駅ホームでは、同特急列車の最後尾だけがホーム端に停止し、消防士や救急士が5~6名、警察官、駅員ら数名が慌ただしく線路上で救出活動を行っているようでした。まだ「規制線」が張られていません。
 線路上には、何かの破片なのか、あるいは人間の身体に関わるものなのか、紙ふぶきのようにも見える物が散らばっていて、駅員が淡々とそれを収集していました。

 「現場」であるホームの先端部には、救急車からストレッチャーを運んできた救急隊員や、何らかの救命用具を持った消防隊員が周りを取り囲み、黄色いポリ袋を手にした駅員が複数駆け付け、警察官も慌ただしく行き交っています。
 そのうち、ホーム先端部は消防隊員や警察官らが目隠し用のビニールシートで覆い、何らかの作業が行われ始めました。

 電車が停止して30分近く経った頃、誰も収容(救命)しないまま、ストレッチャーを折り畳んだ救急隊員や消防隊員が次々と撤収。かわりに水を入れたバケツとデッキブラシを持った駅員が現れ、線路上の清掃を始めました。何人かの駅員はワイシャツが真っ黒になるほどです。

 1時間近く経った頃、緊急停止した列車に閉じ込めらたままの乗客らが、最後尾の唯一ホーム上にかかった1つのドアを頼りに順次下車するよう誘導されました。最後に電車から車椅子の女性が降りて、警察の現場検証が終わり、「事故」から1時間半が経とうとした頃でした。警察でも救急隊でもない男性2人が移動式の「寝台」を持って現れました。
 毛布にくるまれた何らかの物体がどこからか運び出され、その寝台に乗せられ運ばれていきました。

 コンコース上には、ひしめく数百人以上が利用客のほとんど気づかないほどに薄い字で「霊柩車」と書かれた葬儀事業者のバンが待ち受け、その物体は2人の男性によって密かにかつ速やかに収容され、どこかへ運ばれていきました。

 男性なのか女性なのか、若いのか年を取っているのか、そもそも毛布にくるまれたものが何なのかがわからないのですが、霊柩車に乗せられたのだから遺体なのでしょう。

 何があって、何のために、この時間に、この場で命を終えなければならなかったのか。通過電車に飛び込む時、いや、巻き込まれてしまった時に何を考えていたのだろうか。
 2人の葬儀業者と一人の警察官と、野次馬の私と、勘良く気づいた何人かの人たちだけにしか知られることもなく、邪魔なもののように安置所から火葬場へと運ばれる遺体。1時間と少し前までは生身の人間だったのに。

 事故なのか自殺なのかは分かりませんし、どこの誰なのか、老若男女の別も分かりません。日々、こんな事故が起こっていることとはいえ、鉄道を愛している人間にとって、それが結果的に命を奪う「道具」となってしまったことに、やりきれない思いが今も抜けません。
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 11日目となりました。
 毎年6月は日本の多くの上場企業が株主総会を開く月です。そんななか今日、日本一(世界一?)の規模を誇る鉄道会社で、東証一部上場企業でもあるJR東日本も、都内のホテルで株主総会を開催。その様子を見る機会に恵まれました。

 総会では、JR東日本経営者(取締役会)側から、剰余金の配当は1株55円(中間配当を含め年間110円)とすることや清野智前社長ら取締役20名を選任する件、役員26名と監査役5名に計1億612万余の賞与を支出する(常勤の取締役1人あたりにすると約500万)こと、取締役の報酬額を月額7000万以内(月収にすると1人当たり390万円程度)など6つの議案が出されました。
 採決の結果、会場に参加していた株主による「賛成」などの発声や拍手に対し、議長である冨田哲郎社長が目視によって「賛成多数」と判断し、可決されました。

 一方、株主側からは、1人の株主(議決権数305=3万500株所有=時価1億4600万円相当所有)から「新入社員の医師法遵守注視の件」など5つの議案が出され、これは「反対多数」で否決。別の株主206名(議決権数315)から共同で「復興計画承認第三者委員会設置の件」「コンプライアンス監視特別委員会の設置」「取締役解任の件」「役員報酬減額の件」など9議案が出され、こちらも「反対多数」で否決となりました。

※議案にご興味のある方は同社サイトのこちらにあります[PDFファイルです]
※ちなみに議決権は100株(1株4800円で計算して100株で48万円)につき1つが付与されます。株主から議案を提案するには300(3万株)以上の議決権が必要となっています。

 このほか、議長(冨田社長)の議事進行に反発した一部株主から、議長の不信任動議が出されました(一部株主の発言に対し、議長が「不信任動議」として受け止め採決にかけた)が、こちらも「反対多数」で否決されています。

 今回で25回目となるJR東日本の総会、一言で言うと、荒れていて、どこか異様な雰囲気がありました。

 会場のホテル(ニューオータニですが)周辺にはやたらと警備員や社員の姿がありましたし、総会会場となったホテルの1000名以上入れる宴会場では、前方2列だけは左右の隙間が一切ないように「万里の長城」のごとく椅子が並べられ、一席の余地もなく人で埋まっていました。後方の席はいくらでも空いているのに前方2列のみ満席なのです。さらにその前には何の美しさも感じられないようなプランターまで設置。この「壁」でいかなる者も絶対に壇上へは近づけないぞ!という執念を感じるような設営の工夫が見られました。
 また、壇上に並ぶ取締役は、首から上がかろうじて見えるくらいの高い机が左右隙間なく覆われていて、こちらも万全の防御体制です(左上写真参照)。
 加えて、客席の方に向けられたカメラが左右大型モニターの高い位置の目立たない場所に設置され、常に客席を映して(記録?監視?)いました(確認できただけで4つ以上ありました=右下写真の画面の黒い左右上部にうっすら見える)。

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 総会開始後はすぐに、そこかしこで立ち上がった「株主」から「動議!」「ドウギだ議長!!」などと声が上がり(だいたいおじいさんに近いおじさん風、古い時代の組合関係者っぽく見える)、その度に同社社員だとみられる若手係員が声の主の周りを5~6人で取り囲む物々しい雰囲気です。

 一方、前二列に(窮屈そうに)詰められた「株主」は、議事内容にはあまり関心なさそうなのに、採決の時だけは急に覚醒したかのごとく、「賛成ぇー!」「反対ィー!」などと大きな声で発声。拍手をする姿などは訓練されたかのような雰囲気さえありました。
 ちなみにJR東日本の「大株主」の3位は社員持株会(3.3%)だそうです(1位と2位は信託銀行)から、そうした人々かもしれません。

 結局、総会は10時から3時間半にわたって行われました。JR東日本の経営状態が極めて良好で、問題となる議案が見当たらない割には、かなり長い総会だと思うのですが、これは一部株主の提案した議案の審議に多くの時間が費やされていたためです。

 多数の株(時価1億4600万円相当)を持つ1人の株主による議案「新入社員の医師法遵守注視の件」など5つは、JR東日本の子会社である「ルミネ」などにテナントとして入っているコンタクトレンズ店(JR東によると30店近くあるそうです)に対し、「医師法違反」の有無を自ら確認し、朝日新聞やNHKにも「お知らせ」せよ、といった要旨。しかし、提案内容を読んでもいまいち何が目的なのかよく分かりません。提案した株主本人からも補足発言はありませんでした。個人的には何の意図があって提案したのか聞きたかったところです。

 むしろJR東日本経営者側との対立軸は、2つ目の「取締役解任の件」「役員報酬減額の件」を共同提出した206名の株主との間に色濃く表れていました。

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 この株主らの主張する内容を聞いていますと、かつて国鉄の労働組合(国労など)で経営陣と激しく対立していた人々の一部ではないかと思われました。発言者の一人は、JR東日本が起こした信濃川からの不正取水事件に対し、株主代表訴訟を起こした一人だと明言。また「国鉄闘争を継承する会」の会長とみられる方も幾度か発言していました。総会冒頭から「動議!」と幾度も叫んで議事進行を止めようとしていたり、前方に詰め寄って疑義を叫んでいたりしたのも(写真左参照)、これらの関係者のようでした。

 彼らが主張する提案には、実現不可能な内容も多いように思われましたが、個人的にはなるほどな、と思うことも幾つかありました。
 たとえば、「信濃川からの不正取水事件を起こしたにも関わらず、責任を取らないのはおかしい」といったものや、「役員の報酬が高すぎる」といった主張もそうです。
 岩泉線がいつの間にか「廃止」されたことを踏まえ、気仙沼線などが鉄道で復旧されなくなる恐れがあるため、「余剰金をローカル線赤字補てんのために積み立てよ」という提案には「確かに!」と思ったりも。

 また、東北地方全域に導入された701系(ロングシート車)に対しての疑義が2回出てきて、こちらは思わず苦笑してしまいました。もう20年以上も経っているのに、未だに株主総会で話題にのぼるなんて、いかに嫌われている車両かということが分かりました。

 しかし、彼らが何を発言しようと、何かが変わることも、動くことはありません。彼らの言うことは完全少数派の意見でありすべて否決されています。(彼らは「賛成してるのは社員株主ばかりじゃないか!」と発言していましたが)

 株主総会を見て強く感じたのは、国鉄崩壊から25年を経ていても、ここにはまだ「国鉄」が残っているんだなということです。
 JR東日本の役員のほとんどは国鉄出身者ですし、その人々による経営方針に反発して大きな声を出しているのもまた国鉄出身者なのです。株主総会なのに、まるで当局と国労による労使交渉の場のようでした。

 ただ、双方ともに高齢化しているのは傍目からも明らかで、これらの国鉄関係者がJR東日本からいなくなったり、関わらなくなるだろう時はそう遠くありません。
 その時、総会も今とは違ったものになるのでしょうか。それはそれで、国鉄が完全に消えてしまうようで悲しい気もしました。

 若手駅員が2人並んで深く首を垂れ、「お疲れ様でした。JRをご利用ありがとうございます!」などと普段は見たことがないような丁寧な挨拶をする会場近くのJR駅の駅員を見ながら、そんなことを思ったのでした。
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 今回もなんとか10日間更新を続けることができました。

 今日は珍しく「湘南新宿ライン」(高崎線・東北本線の中距離列車が東京・上野を通らず、池袋・新宿・渋谷など山手線沿線を通り、東海道本線・横須賀線と相互直通する列車のこと)に乗る機会がありました。

 昼間に横浜で業務があり、「今日は家から近いので楽だなあ」とか思っていたら、こういう時に限って朝から新宿付近で用事があるのです。やむなく、新宿駅から横浜方面行の湘南新宿ラインの電車に乗ることになりました。

 今や当たり前となった湘南新宿ラインですが、2001年12月に始まってから10年余しか経っていないんですよね。
 かつて東京の東側に住んでいたため、東海道や東北、高崎、横須賀などの中距離列車に乗る際は、東京駅か上野駅に行けば事足りました。そのため、この路線に意義を見いだせなかったのですが、西側に住むようになってからは、この路線のありがたさが身に沁みています。

 以前だったら新宿や渋谷から横浜方面へ行くとなれば、山手線で品川まで出て東海道本線や横須賀線の列車に乗り換えねばならなかったのですが、今は少し離れたホームで待っているだけで、「小田原行」や「逗子行」といった列車が当たり前のようにやってくるようになりました。新宿から横浜まで最速29分(昼間の「特別快速」のみ)はなかなかのスピードです。
 大宮や高崎、宇都宮あたりへ行く時も「籠原行」とか「新前橋行」とか「宇都宮行」に新宿や渋谷だけでなく、恵比須駅からも乗ることができます。

 時間的には以前とそれほど変わらないのですが、乗り換えがないというのは非常に楽なんです。湘南新宿ラインの開通以来、東急や小田急が対抗策を迫られたのがわかる気がします。JRはそもそも駅数が少なく、私鉄より速度で勝っているのに、直通までしてしまったら、客を相当に奪われてしまうからです。

 ただ、残念なのは、湘南新宿ラインの列車は常に混雑していることです。たまに奮発してグリーン車に乗っても同じ状態。東京発着の東海道線や横須賀線の列車は空いていて快適そうなのに......。

 現在、日中は1時間に4本程度の運転本数しかないということもあるのでしょうか。
 あるいは、これ以上、運転本数を増やせないのかもしれませんが、東海道本線や横須賀線、高崎線、東北本線の「東京・上野発着」の列車を減らし、湘南新宿ライン経由に振り分けるべきではないか、と思うのは私だけでしょうか。
 もちろん、趣味的には東京・上野始発電車が大好きではありますが・・・。

※上の写真は新宿駅1・2番線ホーム。新宿駅は山手線や中央線とはそれほど離れていませんが、渋谷は別の駅かと思うほど離れています。山手線から乗り換えに一番便利なのは実は恵比須駅かもしれません。
p120620.jpg 9日目になりました。二桁まであと1日ですね、がんばります!

 明日、用事があってコリアタウンで有名な大久保(新宿)へ行くことになったのですが、ここへ行く時、JRの新大久保駅(山手線)だったのか、大久保駅(総武緩行線)が近いのかいつも迷います。

 結局、どちらでも変わらないくらいの距離だから、「どっちでもいいや!」となってしまいます。
 首都圏には、大手町駅のように同じ駅名であっても恐ろしく接続が悪い駅(写真左)がある反面、大久保と新大久保のように駅名こそ違うものの、至近に2つの駅が置かれているケースが多々あります。
 いったい、どれくらいあるのだろうか。

 そんなことを考え出したら気になってきて、思いつくままに並べてみました。

 米グーグルの地図にリンクさせたので、気になったらクリックして確かめてみてください。(あまり地図ばかり立ち上げすぎるとPCが唸るかもしれないのでご注意を)

 なお、関西編は私が若いころに実践していた「乗り換え」なので、若干、無理なものもありますが、ご参考までに。

※写真は大手町駅の構内図(「東京メトロ」サイトより)、これを一緒の駅だというには無理がある気が......。

JR原宿駅(JR口)とメトロ千代田線・明治神宮前駅
実は目の前。ただ、竹下口で降りてしまったり、副都心線に乗り換えようとするなら少し遠い。

JR/都営大江戸線・東中野駅(西口)とメトロ東西線・落合駅
少々マニアックなのですが、使えないこともないです。

メトロ有楽町線・東池袋駅と都電荒川線・東池袋四丁目停留所
これもマニアックです。でもこの2つの駅、サンシャインシティへ行くには案外便利だったりします。

JR田町駅(西口)と都営・三田駅
これはかなり有名ですよね。一緒の駅名にしても良い気もする。

りんかい線・東京テレポート駅とゆりかもめ・お台場海浜公園駅
遊びに行く時に知っておいてもいいかも、という程度です。りんかい線もゆりかもめも運賃が高く乗り換えたくない......。

りんかい線・国際展示場駅とゆりかもめ・有明駅
正面左手にすぐ見える。ちなみにビッグサイトの正面(西館)ではなく、東館へ行くなら有明側へ歩くと結構近い。

JR新日本橋駅(東京駅寄り・室町側)とメトロ銀座線・三越前駅
これは有名ですが、メトロの半蔵門線・三越前駅は遠いです。

JR馬喰町(東京駅寄り)と都営新宿線・馬喰横山駅
「馬喰横山」駅は、都営三田線の東日本橋駅ともつながっていたりする。実は馬喰横山は隠れたターミナル駅!?

JR馬喰町(千葉寄り)とJR/都営・浅草橋駅
200~300メートルでしょうか。使っている人がいるのかどうかは分かりませんが、けっこう使えます。

JR御徒町駅と都営「上野御徒町」駅、メトロ「上野広小路」駅&「仲御徒町」駅
JR御徒町駅の周辺には、駅名の異なる3つの地下鉄駅があるんです。分かりづらい。

JR/メトロ・秋葉原駅(ヨドバシ側)と都営新宿線・岩本町駅
書泉ブックタワー(大型書店)方面に、神田川を渡ればすぐ。有名です。でも「電気街口」からだと若干遠いです。

メトロ/都営・神保町駅(A1/2出口)とメトロ/都営・九段下駅
専修大学がちょうど両駅の真ん中あたりにある。直線で300~400メートル。両駅から10分くらい歩けばJR水道橋駅やJR飯田橋駅へも行けたりする。

メトロ千代田線・二重橋前駅とJR東京駅
丸の内口へはかなり至近距離です。東京国際フォーラムもすぐ。

 このほか有名なものに、永田町と赤坂見附と溜池山王とか、霞が関と虎ノ門とかありますが、土地勘がないのでこちらは割愛を......。

<おまけ:関西編※京阪電車沿線しかありませんが>

京阪・祇園四条駅と阪急・河原町駅
鴨川を渡ってすぐ。20数年間、京阪沿線で生きてきたのに、長い間知らなかった...。

京阪・七条駅とJR京都駅
決して近くはないのですが、10分超歩けば着くので、お金がない少年時代に愛用してました。東福寺駅から歩くという方法も......。

京阪・淀屋橋駅とJR大阪駅/地下鉄梅田駅
それなりに遠い(10~15分)のですが、やはりお金のない少年期に...。今だと渡辺橋駅からのほうが近いはずです。

ではついでに・・・
■個人的に使いたくない!乗り換え駅ワースト3

大手町駅とJR東京駅、あるいはJR東京駅在来線・新幹線と京葉線
大手町駅の構造は尋常ではないくらい分かりづらい。また、京葉線の東京駅(地下)は有楽町寄りにあり、別の駅かと思うほど遠い。

▼JRと大江戸線の両国駅
距離的には近いはずなのに、嫌がらせのように商店街を迂回させられる。かつて両国がターミナル駅(終着駅)だったころのままの作りであることや、駅前にデーンと国技館が建っていることが原因なんでしょうか。

▼東武/メトロ/都営・浅草駅と「つくばエクスプレス」の浅草駅
完全に違う駅。観光客が間違えて「浅草橋」で降りた時並みにポカンとするに違いない。

 以上です。少しは役に立ったでしょうか......。地図を眺めて楽しんでいただけたなら何よりです!

p120619.jpg 8日目となりました。外は台風の風がすごいことになっています。何もなく通り過ぎてくれればいいのですが。

 今年、日本の航空界では「LCC元年」といえる"台風"が巻き起こりそうです。LCCは「ローコストキャリア」の略で、ようは格安航空会社のことです。
 飛行機の運航にかかる人件費やサービスなどのコストを極限まで抑えて格安運賃を実現するもので、海外では近年一般化しています。

 機内の座席がかなり狭かったり、チケットはWebでしか売らなかったり、機内サービスが一切なかったり、スカイマークみたいに乗務員は保安要員だから荷物の収納手伝いはもちろん、苦情など一切受け付けぬ!と宣言してみたり......、各社さまざまな「努力」にとって運賃を安くしているのです。

 日本へ乗り入れているLCCでは、オーストラリアのジェットスターやマレーシアのエア・アジアX、茨城空港に発着する中国の春秋航空などが有名でしょうか。

 国内線では、長い間スカイマークがLCC的な役割を果たしてきましたが、今年は外資LCCと共同で一気に3社が新規参入を果たすことになりました。

 関西空港を拠点とするANA&香港の投資会社などによる「ピーチ」、成田を拠点とするJAL&豪州系の「ジェットスター・ジャパン」、こちらも成田拠点でANA&マレーシア系「エアアジア・ジャパン」という3つのLCCが8月までに相次いで国内線に就航します。

 これらのLCC、いずれもJALとANAが深く関わっています。
 個人的には、たとえばJRバスが自社便と対抗する「ツアー高速バス」を楽天やウィラーあたりと合弁別会社で運営するかのような(もちろんそんなことはあり得ない)不可思議さと矛盾を感じずにはいられないのですが、両社とも「世界的なLCC化の波にひとまず乗っておこう」ということかもしれません。

 3月に就航したピーチの場合、関西~新千歳で運賃は約5000円~2万円です。色んな条件によって運賃にはかなり幅があるのですが、最安値が5000円というのは、相当に衝撃的ではないでしょうか。
 7月に就航予定のジェットスター・ジャパンは、成田から札幌や福岡が約5000円~、沖縄が6500円~、大阪だと4000円~です。8月に成田~札幌・福岡・沖縄に就航するエアアジア・ジャパンも似たような運賃を出してくるのでしょう。
 運賃だけを見ると、「ツアー型激安高速バス」の"空版"みたいな感覚です。

 LCC各社の就航区間は、もともとJRのシェアが著しく低いかほぼゼロ(沖縄)の区間ばかりで、ここはJAL/ANAやスカイマークと客を奪い合うことが予想されますが、次の段階では成田~岡山・広島あたり、JRが飛行機と激しく戦っている区間に投入してくる可能性も高いのではないでしょうか。

 格安ツアーバス、路線高速バス、一般の飛行機会社、マイカー(高速道路)と、それでなくても多い「鉄道の敵」が今更一つ増えたところで、経営上は何も変わらないのかもしれません。
 が、鉄道のシェアが奪われ続けるという状態を放置しておいても未来はないと思うのです。それが格安しか使わない層であっても。
 個人の懐に痛手をともなわないビジネス利用(特にJR東海)や小金持ちの団塊世代ばかりに目を向けて(特にJR東日本)いても、一時の収益的にはいいのかもしれませんが、決して未来があるようには思えません。

 中距離移動は当然JR(新幹線)!という感覚を若いうちから持ってもらわないと、鉄道の地位が低下していくばかりのような気がします。
 フルムーンもいいけど、たとえば、先行投資のために、6~23歳限定で格安のJR全線乗り放題パスを作ってもいいじゃないか(年齢制限をなくすと私のような中年ばかりが使って意味がない)。プロ野球のファンクラブだって小中学生に優しいのは、幼少時ファンになってもらわないと、後が続かないからです。

 まず、第一段階として、日本の鉄道界に君臨するJR東日本と、市場の評価(株価)が一番高いJR東海が速やかに手を組むことです。東名阪の大動脈と全国津々浦々の主要都市間輸送が可能であるメリットを上手く使うべきだと思うのです。今、2社が不仲のせいで、必ず東海道新幹線で分断されてしまうのです。
 
 なんか、最初のLCCの話から相当ずれてきたのでこの辺でやめますが、JR(新幹線)にとって、長期的にみればLCC化の流れは決して対岸の火事ではないはずです。この機会にJRの結束を!

※「鉄道の敵」である航空会社の話題なので、あえて該当リンクを貼っていません。ご了承のほどを......。
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 毎日更新を始めてからようやく一週間が経ちました。3日間くらいで終わらなくてホッとしています。

 最近、昼食の内容や場所を選ぶのが著しく面倒になってきてしまい、近くの大学の「学食」に通う日々を送っています。
 会社員として私が通う市ヶ谷という地は、とにかく中華料理店ばかりなのです。
 市ヶ谷から2駅離れた神保町は、明治から大正期に中国人留学生が多数集まってきた影響で、当時は古書の街ならぬ「神保町中華街」の様相だったといい、その名残で今も大小の中華店が多々あります。そうした流れが都営新宿線(靖国通り)に沿って、九段下を経て市ヶ谷周辺まで続いているようです。

 ただ、これらの中華料理店の数々、一部の高級店を除き、濃いばかりで決して旨いとも安いとも言い難いのです。さすがに胃も財布も疲れてきたのかもしれません。
 そのような次第で学生食堂にお邪魔しているのですが、安い!速い!!味もそれなり......ということに加え、栄養のバランスも悪くはないので、本当に重宝しています。

 キャンパス内の学食ですから、食事中は当然18~23歳くらいの大学生諸君に囲まれることになります。
 時折聞こえてくる会話などを聞くと、自分もこんな時代があったかなあ、いや、あったはずだ、とか、どこかおっさんじみた感慨を抱き、20年近く前の自分を思い出したりしてしまいます。
 特にこのところ、テレビや新聞では、1990年代中盤に世を騒がせたテロ宗教集団の映像や話を見聞きすることが多く、当時大学生のど真ん中だった人間としては、いやがおうにも当時の自分を振り返る機会が生まれてしまいます。

 大学生時代の私は、長期休暇に東北や北海道などへ「ワイド周遊券」や「18きっぷ」でどんな格安鉄道旅をするか、そればかりを考えていたように思います。次は「八甲田」にするか「津軽」にするか、いや「きたぐに」(もちろん自由席)で日本海縦断もいいな、とか、そんな想像ばかりです。
 学生生活では、授業にはなんら興味も参加意欲もなく、唯一大学生であることをつなぎ止めていたのが課外活動と称して「学生新聞」なるものを作ることだけでした。

 ん、ここまで思い起こしてみて気付きました。

 20年後の今、考えていることと言えば、次の連休にどこへ行くか、予算内でどんな旅ができるかということばかり。
 会社員生活では、会社なる組織のことは給与分の最低限しか興味も意欲も持ち合わせず、唯一つなぎとめているのは自分が関わる媒体だけ。しかも「新聞」だったりする......(もちろん「給料」もつなぎ止める大事な要素なんですが)。

 なんだ、ちっとも変わっていないじゃないか!
 安心したような、恐ろしいような、複雑な心境で今日も賑やかな地下食堂で黙々と箸を動かしたのでした。
p120617p1.jpg 6日目となりました。
 先日、何年かぶりに拙サイトの「青春18きっぷ&普通列車フリーきっぷ関連情報リンク集」を全面更新しました。

 このリンク集は、タイトルにある青春18きっぷやフリーきっぷ関連の情報に加え、JRや大手私鉄をはじめ、公営鉄道、第3セクターなど全国170ほどの鉄道会社サイトへのリンクを集めたものです。サイトのトップページだけでなく、路線図や時刻表、フリー切符などのページへワンクリックでたどり着けるようにしたため、リンクの数は1600近くにのぼります。

 それを一つひとつチェックし、リンク先のページが消えていたら新しい場所を探し、有益なページが新たに生まれていたら、リンクを追加する......、気が遠くなるような作業でしたが、進めるうちに全国の鉄道を仮想的に旅をした気になってきて、実は楽しい作業でもありました。

 10年近く定期的にこの作業を続けていますが、JRや大手私鉄はともかく、地方の鉄道会社が年を経るごとに情報発信を積極化させていることを強く感じます。
 Webサイトの開設や更新はもちろん、沿線の情報を掲載したり、フリー切符を新たに作ったり、小規模で社員も少ないなかで本当に頑張っているなー、とサイトを訪れる度に感動すら覚えます。

 ということで、JRと大手、準大手私鉄を除いた中小規模の地方鉄道のなかで、特に情報発信や企画で頑張っている鉄道会社を勝手に「表彰」してみます。

 なにぶん、審査員(?)は西村一人なので独断と偏見も多々ありますが、自分が運営する情報リンク集の更新作業だけでなく、これまでの「会社員」としての仕事も含め、一般の人よりは相当に多くのWebサイトを見てきたとは思います(多分)。

 何の権威づけもありませんが、非常に頑張っている地方鉄道を以下に紹介しましょう。


地方鉄道フリーきっぷ大賞(1社)
(地方鉄道のなかでもっともフリーきっぷ・企画きっぷ類の発売に熱心な会社)

大賞:北近畿タンゴ鉄道(KTR)(京都府)

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 国鉄やJRから転換した第3セクター鉄道のなかでは日本有数の赤字状態ですが、フリーきっぷの数や種類にかけては日本一だと私は思います。

 たとえば、1回だけ特急乗車を認める「ローカルフリー1回だけ特急」(1500円)なんて、細かいニーズまで汲み取った鉄道マニアも大喜びの企画商品です。

 沿線に天橋立をはじめとした大観光地を抱え、日本海沿いを走る美しい車窓も持つ同鉄道。このアイデア力とヤル気で赤字を克服してほしいと切に願っています。



■地方鉄道Webサイト大賞(3社)
(Webサイトの情報発信度、見やすさ、デザインが優れた鉄道会社)

大賞:えちぜん鉄道(福井県)
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 存廃議論が浮上した京福電鉄時代の2000年、電車衝突事故を相次いで発生させるなど一時は"瀕死"ともいえる状況から、第三セクター化を経て見事な復活を果たした同社。

 サイトのトップページにきっちり路線図を載せ、「乗ろう」「出かけよう」など大きなバナーで分かりやすく、目的のページへ誘導しています。

 デザインを洗練させながらも、業者丸投げのプロっぽさを感じさせない点も素晴らしく、ブログなどのタイムリーな情報発信も好感が持てます。

東日本地区大賞:三陸鉄道(岩手県)

 東日本大震災で大きな被害を受け、未だに全通を果たせない同社。今、どういう状況にあるのか、震災後はサイトでも積極的に発信を続けていました。震災前から情報発信量は多かったのですが、大変な状況下にあってもそれを続けている姿勢に感銘を受けます。

西日本地区大賞:平成筑豊鉄道(へいちく)(福岡県)

 北九州の旧炭産地路線を引き継いだ同社。発信する情報量は相当多いのですが、それを上手くナビゲーションしている点は秀逸です。独自のキャラクターをサイトの中心に置いて親しみやすさを演出しているのもほのぼのしていていいなーと感じます。


番外編:超頑固賞(1社)
(ここはすごい!と私が勝手に思った会社)

大賞:流鉄(千葉県)※旧総武流山電鉄

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 旅客を扱う日本の鉄道会社のなかで、公式サイトを開設していない唯一の会社です。

 わずか6キロほどの路線ですが、同社が本社を置く千葉県流山市は、IT推進で日本有数の先進自治体だったりします。

 「そんなこと、ワシらは知らん!」という頑固さ?は密かに好きだったりも。今は逆にいつまでもサイトを作らずにいてほしい気がします!



 今回選んだのは、流鉄を除き、いわゆる「第三セクター鉄道」ばかりになってしまいましたが、これは地元住民の税金を投入している以上、情報公開・発信を積極的にしなければならない、という理由もあるのかもしれません。

 これらの会社以外にも秀逸なサイト運営やフリーきっぷの多彩さなど、頑張っている会社は幾多ありますので、機会があればまた紹介します!
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 5日間はなんとか持ちました!
 今からちょうど1年前、「今もできる長距離鈍行列車の旅」と題して、2011年現在で200km以上の長い区間を走る普通・快速列車がどれだけあるのかを調べたことがありました。

 1980年代は300~400kmを走る「鈍行列車」はざらにあり、そうしたランキングをよく見かけることがあったのですが、今、そんな列車が残っているのだろうかと思って時刻表を繰ってみたところ、意外にも200km以上走る列車が30近くもあったのです。そのランキング表を作ったら、これまた意外に多くの方に見ていただきました。

 今年3月にダイヤ改正があり、日本一の長距離普通列車(1位)だった「岡山→下関」(363km)の列車が廃止されてしまい、ちょっとがっかりしてその後の更新をしていませんでした。
 先日、ようやく2012年版を作る気になり、ようやく完成しました

 久々に時刻表を読んでみると、このダイヤ「改悪」(私にとって)が続く時代に、なぜか新たな長距離普通列車が生まれていたのです。
 その結果、またしてもトップは山陽本線。「岡山→新山口」(316km)という新たに生まれた普通列車となりました。
 また、「出雲市→米子→岡山→播州赤穂」という島根、鳥取、岡山、兵庫の4県をまたいで直通する列車(平日のみ=275km)が誕生していたり、飯田線の全線直通便も増えていたり、加えて、以前からある根室本線や宗谷本線も廃止されずに残っていたり、非常に楽しい更新作業となりました。

 この夏、青春18きっぷで旅する時の参考にしていただけたら嬉しいです。

 更新作業が楽しかったがためでしょうか、勢い余って古い時刻表まで取り出してきて「なつかしの1979(昭和54)年の『鈍行列車』ランキング」なる"おまけ"まで新たに作ってしまいました。

 こちらは350km以上走る普通列車が全国でひしめいていて、今となっては隔世の感がありますが、この時代を知っている方が懐かしむには最適かもしれません。こちらもぜひご覧ください。
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 4日目になりました。昨日、離島旅の際に「飛行機利用を極限まで減らし、レンタカーは厳禁」とかいう自分なりの旅の流儀みたいなことを書いたのですが、実はまだいろいろ密かに決めていることがあります。

 交通機関に関するもの以外でもっとも実践しているのが「旅の際、9割以上は滞在地の原料や生産のものを飲食する」というものです。分かりやすいのですが、これがなかなか辛いのです。
 例えば、沖縄なら食はゴーヤチャンプルーとか沖縄そばとか、現地名物とされている独自の料理が多数あり、酒も泡盛やオリオンビールと種類・内容も豊富なのですが、だいたいの都道府県では、かなり困難な"規則?"となります。

 一応、駅弁(「駅弁」マークのなきものは不可)とチェーン店ではない地元の食堂、レストラン、居酒屋での飲食およびホテルで提供される食事は「地元産食材に準ずるため容認」などと逃げ道を設けているのですが、ビジネスホテルに泊まった時(予算的に一番多い)は、飲食店を探すのが面倒かつ失敗した時の憂鬱を考え、つい近所のスーパーなどへ行ってしまうことになります。

 お酒はだいたいその県内産のワンカップ(酒は出来うる限りワンカップを推奨。その理由は、ワンカップで売っているということは地元民が愛飲している可能性が極めて高いため)が1つや2つは置いているのでいいのですが、食のほうはなかなか難しいのです。野菜や魚といった食材は売っていますが、ビジネスホテルで調理することもできません。

 そうなると、だいたい刺身コーナーへ行って、原産地ばかりに目をこらし、ようやく少し見けられる程度。それでもなんとか見つけて購入し、いざ食べようと思ったら醤油が入っていないと気づき......。仕方なく空き腹に日本酒ばかりが投入されることも多々ありました。たとえ醤油があったとしても、刺身と日本酒ばかり飲食したために、どこか体調がすぐれなくなったりも。

 夏場なんかは冷えていないワンカップの日本酒じゃなくて、ビールを飲みたくなるんですよね。で、ビンに入った「地ビール」なるものをかなり高い価格で買ったら、今度はホテルの部屋に栓抜きがない......。ドアノブかなんかで無理やり開けようとしたら、見事に破裂......。ああ。

 そんな苦労は多々あるのですが、地元のスーパーで思いがけない「食」や「酒」と巡り合うと、本当にうれしくなるんです。
 下北半島のうらぶれたスーパーで見つけた半額シール付きの「大間まぐろ」が旨かったこと! 今まで食べてた「マグロ」は全部偽物か?と思うくらいの美味でした。地元産ワンカップを探しに出かけた小さな商店では、自分とこにはないから、と別の店までわざわざ車で送ってくれたり。
 旅の苦労と喜び、これはどちらも欠かせない要素なのかもしれません。ということで、これからも地元スーパー巡りを続けていくつもりです。
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 3日目です。近年、離島の旅へ出ることが多くなってきました。

 離島へ行くまでの手段は必ず鉄道を使っているので、鉄道の旅の一種ともいえるのですが、旅の主役を離島としているので、純粋な鉄道旅行ではないのかもしれません。

 島国日本には7000弱の「島」があると言われており、このうち300程度が有人島と見られています。

 300もの離島全部へ行くのは相当に困難がともなうとはいえ、全国の主要な都市や街は鉄道に乗ることでだいたい訪れたのですから、次は「自分が住む国の離島も行っておくべきではないか」と思ったのです。

 自らの備忘録的に、これまで訪問できた島を北から書いてみますと、

利尻、礼文、奥尻、佐渡、浦戸諸島(塩釜市)、伊豆大島、新島、八丈島、小笠原(父島・南島[無人島]・母島)、猿島(横須賀沖の無人島)、初島(静岡県)、答志島(鳥羽市)、菅島(鳥羽市)、友ヶ島(和歌山)、南紀大島(串本市=架橋前)、淡路島、家島(姫路市)、向島(尾道市)、江田島(広島)、隠岐(島後)、青海島(山口=架橋)、対馬、天草上島(天草諸島)、宮古島、池間島(宮古島と架橋)、来間島(宮古島と架橋)、伊良部島・下地島、石垣島、竹富島、与那国島

 この10数年、苦労した割には、なんと少ない......。有人島のわずか1割程度しか行けていません。
 鉄道の「乗りつぶし」のように、路線数を稼ぐ必要もないのですが、相当な日数とお金を費やした割には少ないのです。

 離島の旅はなかなか大変で、船の本数も少ないですし、運賃もそれなりに高く、往復するには日数もかかります。
 また、訪島にあたっては、「飛行機利用は極限まで回避し、島内移動の際はレンタカー厳禁」などという勝手な決まり事を自分のなかで作っていますので、沖縄県の離島へ行くのは大変です。(宮古や石垣は沖縄本島などからの路線航路が全て廃止されてしまい、今後どうやって行けばいいのだろうか......)

 ただ、海を越えて着いた陸地に、まったく見知らぬ風景や世界が広がっているという感動は、本土の旅よりも何倍も強いように思えます。
 特に路線航路や路線バスの旅は、鉄道の次か同等くらいに好きなので、島へ行くまでの移動や島内移動も私にとっては大きな楽しみだったりします。

 この先、どれだけの島へ行けるか、目標が大きいだけに考えてはわくわくしています。
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 今日は2日目です。
 ちょうど「毎日更新」の時期とかぶるため、昨年一昨年も同じネタなのですが、今年もちょうどその時期にあたってしまい、今朝は早くから千葉の幕張メッセまで出かけてきました。

 都心の西側に住む者にとって、幕張の大型展示・イベント会場は、時にその遠さを恨むことさえあるほどの距離。唯一救われるのが海沿いを走る京葉線の車窓の良さです。

 京葉線を走る電車の窓から見える海やら工場地帯の愉快さは一昨年も書いていますし、拙著『週末鉄道紀行』でも触れたので繰り返しませんが、私個人的には都心でもっとも好車窓ではないかと思っています。
 今は蒲鉾板のようなマンションが林立していますが、元は貨物のバイパス線として、当時は人がほとんど住んでいない湾岸を通したゆえでしょう。

 そしてもう一つ、こちらは楽しみではありませんが、朝の車内の客層をウオッチすることも、私のなかでの密かな「京葉線名物」みたいなものかもしれません。

 これは京葉線沿線の千葉県浦安市に、誰もが知る「東京」を冠した仮装遊園地がありますが、こちらに用がある客層と、社用(業務命令)で幕張での展示会へ行かざるを得ない層が朝の数少ない下り快速電車に固まっていることが醸し出す独特の雰囲気があるのです。

 東京へ向かう上りは通勤ラッシュでそれどころではないのですが、下りはその2つの客層しか乗っていないのではないか、と思うほどくっきり色分けされています。

 千葉県浦安市の東京仮装園へ遊びに行くファミリーなり、カップルなり、グループなりはとにかく朝からハイテンション。すでにネズミをモティイフとしたキャラクタの耳のおもちゃなんかを頭に乗っけていたりして、楽しそうなことこの上ありません。そして少しうるさい......。
 それを取り巻くのが、どんよりとした色の服装で眠そうな顔で重そうな荷物を抱えて狭いロングシートで小さくなった男集団「海浜幕張組」です。
 一見すると、東京駅からの客は特に「なんで幕張はこんな遠いんだよ!」と舌打ちしそうな面々ばかりです。京葉線ホームの遠さも輪をかけて愉快でない気持ちにさせているのかもしれません。その気持ちはわかります。

 とにかく、京葉線快速列車の東京→舞浜間で見られるこの二組のコントラストが印象的なのです。多分、一生分かり合うことはないくらいの深い断絶感が車内に生まれています。

 実はこの火と油みたいな二層のほかに、もう一つの層があるんです。これがすごい。

 車内を見渡すと、「舞浜組」と似たような年代の女性たちがそこかしこの座席に散らばっていることに気づくと思います。これが第三の層。浦安の世界的テーマパークで働く「キャスト」と呼ばれる人々です。

 この「舞浜キャスト組」、車内では一番落ち着いています。陰鬱な「海浜幕張組」のなかにいても違和感がないですし、自分たちのお客様である「舞浜遊戯一団」も当然、温かい目で見守っています。

 彼女らは仕事へ行くのですから、頬が緩んだ舞浜遊戯一団と比べると、眠そうな顔もちらほらいますが、それでも総じて涼しげなのです。舞浜駅に着くと、一斉に淡々とそれでいて軽やかに下車していく。

 例えば朝の成田空港行のJR快速列車や京成の料金不要特急などに乗ると、化粧と香水の匂いを漂わせた派手目な若い男女の一団が空港駅で早足で降りて行き、「ああ、華やかな空港関係者っぽいなあ」と思ったりするのですが、舞浜の人々はほぼ全員が労働とか働いているとかいう気配をほとんど感じさせないのです。客か従業員か、見ただけではわからないくらいです。
 浦安市の「夢の国」では客やキャラクターが主役であるために、従業員は縁の下から支えるという心構えが染み着いているせいなのでしょうか。

 いやー、さすがプロだな、と今日も感心しながら、私は薄暗い「海浜幕張憂愁組」の一員として、舞浜駅を通り過ぎたのでした。
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 大変ご無沙汰しております。2月以来の更新となりました。

 毎年の恒例行事のごとき有様ですが、今日からここの毎日更新(プラス写真1枚)を試みてみることにしました。
 昨年も思いつきで6月に同じことをしたのですが、この時はなんとか3週間ほど続いています。1年後の今、どこまで続けられるのか自信がないのですが、とにかくやってみます。

 最近はこうした長文を投稿するWeblog(ブログ)が若干廃れつつある反面、TwitterやらFacebookやら短文と写真投稿が中心のSNSが隆盛を誇っています。

 私も流行にのりまして、そちらでは短い文字列と携帯で撮った怪しげで気まぐれな写真の投稿を通じて、会ったことがない方との交流を楽しんだり、「いいね!」に気を良くしてハイテンションになったり、あるいは会社関係者が見ていることを意識して何も書けなかったりと、それなりに(自主規制のうえで)活用?してきましたが、やはり帰るべき場所はここ(鉄道紀行舎のWeblog)なんだ!と今更ながら思った次第です。

 というのも、TwitterもFacebookもmixiもgoogle+(グーグルプラス)も、所詮はいち企業によるSNSサービスなのであります。

 たとえば、ザッカーバーグCEOが夜中にビンビールを片手に「ハーバード学生用として生まれた創業時の原点に立ち戻り、日本でもFacebookは東大の学生と出身者以外は排除とする!」と思いつかないとも限りません(映画『ソーシャルネットワーク』参照)。
 Twitterだって「1モジヲ1パケットトシ、100パケットデ0.1ドルチョウシュスル!」などと一方的に英語のみか怪しげな翻訳日本語で通告することも考えられるでしょう(そういえば有料化の嘘が流布されたこともありましたね......)。
 今や20~30代の女性御用達と化した純国産のmixiだって、一時期より企業価値が落ちているので海外の金持ちファンドだか投資家だかによる買収・転売の末に、あの日本的な緩い感覚が消され、カクカクした動きとヘンな日本語が氾濫することもあるかもしれません(最近、買収騒動が持ちあがってましたが)。
 「AKB」を使って日本での浸透を企むgoogle+は、"総選挙"なるイベントの投票券を買わないと使えなくなるという規則を設けることも......(多分ない)。

 以上は私の勝手な想像なのでまったく本気にしないでください。
 問題はSNSの未来のことではなく、ネット業界の皮肉めいた与太話しか書けなくなるまでに「会社員」の仕事にどっぷり浸かってしまった自分自身にある気がします。
 そして、趣味やプライベートの気楽な短文投稿によって心が休まるはずのSNS類も、特にFacebookなんかはマイナスなことや皮肉が書けないから、なんか演じてる感があるんですよね。会社員の仮面をかぶっている時と似てきた始末です。

 その不自由な仮面を被って得たお金(微々たるものですが)で買った(借りた)ネット空間があるのですから、ここで自由に勝手に書くべきではないか!という気が起きてたのです。

 初日から少し論理破綻めいた内容を書いてしまいましたが、明日からは皆さんの役に立つことを書けるように頑張ります! 
 ということで、今日からひっそりと続けてみますので、ぜひこっそり読んでいただけると嬉しいです。


※写真は会社員としての私の定期券。何が書いてあるのかさっぱり読めません。今朝、改札にタッチすると赤いランプが点灯して「残額が不足しています」と出ました。いつの間にか定期の有効期限が切れていたようでした。いくら電子化とはいえ、文字が判読できないのも困ったものです......。