夜、旅先で地元スーパーをさまよう理由

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 4日目になりました。昨日、離島旅の際に「飛行機利用を極限まで減らし、レンタカーは厳禁」とかいう自分なりの旅の流儀みたいなことを書いたのですが、実はまだいろいろ密かに決めていることがあります。

 交通機関に関するもの以外でもっとも実践しているのが「旅の際、9割以上は滞在地の原料や生産のものを飲食する」というものです。分かりやすいのですが、これがなかなか辛いのです。
 例えば、沖縄なら食はゴーヤチャンプルーとか沖縄そばとか、現地名物とされている独自の料理が多数あり、酒も泡盛やオリオンビールと種類・内容も豊富なのですが、だいたいの都道府県では、かなり困難な"規則?"となります。

 一応、駅弁(「駅弁」マークのなきものは不可)とチェーン店ではない地元の食堂、レストラン、居酒屋での飲食およびホテルで提供される食事は「地元産食材に準ずるため容認」などと逃げ道を設けているのですが、ビジネスホテルに泊まった時(予算的に一番多い)は、飲食店を探すのが面倒かつ失敗した時の憂鬱を考え、つい近所のスーパーなどへ行ってしまうことになります。

 お酒はだいたいその県内産のワンカップ(酒は出来うる限りワンカップを推奨。その理由は、ワンカップで売っているということは地元民が愛飲している可能性が極めて高いため)が1つや2つは置いているのでいいのですが、食のほうはなかなか難しいのです。野菜や魚といった食材は売っていますが、ビジネスホテルで調理することもできません。

 そうなると、だいたい刺身コーナーへ行って、原産地ばかりに目をこらし、ようやく少し見けられる程度。それでもなんとか見つけて購入し、いざ食べようと思ったら醤油が入っていないと気づき......。仕方なく空き腹に日本酒ばかりが投入されることも多々ありました。たとえ醤油があったとしても、刺身と日本酒ばかり飲食したために、どこか体調がすぐれなくなったりも。

 夏場なんかは冷えていないワンカップの日本酒じゃなくて、ビールを飲みたくなるんですよね。で、ビンに入った「地ビール」なるものをかなり高い価格で買ったら、今度はホテルの部屋に栓抜きがない......。ドアノブかなんかで無理やり開けようとしたら、見事に破裂......。ああ。

 そんな苦労は多々あるのですが、地元のスーパーで思いがけない「食」や「酒」と巡り合うと、本当にうれしくなるんです。
 下北半島のうらぶれたスーパーで見つけた半額シール付きの「大間まぐろ」が旨かったこと! 今まで食べてた「マグロ」は全部偽物か?と思うくらいの美味でした。地元産ワンカップを探しに出かけた小さな商店では、自分とこにはないから、と別の店までわざわざ車で送ってくれたり。
 旅の苦労と喜び、これはどちらも欠かせない要素なのかもしれません。ということで、これからも地元スーパー巡りを続けていくつもりです。