青春18きっぷ&普通列車フリーきっぷ情報リンク集の最近のブログ記事

p1302_02.jpg 昨年(2012年)の8月17日にここへ書いて以来、約半年ぶりとなりました。

 この間、秋の出張多発に乗じた旅で忙しさを慰めつつ、いつの間にか冬が来て、また全国方々へと出かけているうちに、もう春が来ようとしています。

 「周遊きっぷ」の廃止という非常にショックな、それでいてどこか予測していたような出来事もあって、相変わらず良きことが一つもない春を迎えそうですが、寒い冬が終わり、気軽に旅へ出かけられそうな気候になるのは、少しうれしい気もしています。

 これから、少しばかり難しい目標を達成するために、自分の時間の大半をそこに使うつもりです。

 それは、もしかすると、半年で終わるかもしれないし、1年、いや、もしかすると3年以上続くかもしれません。

 終着駅は見えてはいないのですが、それもまた楽しい!ということで、少しばかり長い旅を続けてきます。

 そして、機に乗じては鉄道や船に乗り、心に残ることがあった時、ここに何かを残していくつもりです。

 

 

p120814.jpg
 再開4日目となりました。
 昨夜は2009年6月にこのWeblogを始めてから3年余でちょうど150回目の更新だったのですが、江差線の一部廃止問題を書き始めて熱くなってしまい、つい失念してしまいました。

 昨日までの150回のうち何を書いてきたのか、内容に関連する「タグクラウド」というもので集計してみますと、「JR東日本(クリックしたら下にスクロールしてみてください)」に関する内容が21回でトップとなりました。

 社会人野球の話題から株主総会レポ、東日本大震災、ダイヤ改正に関する皮肉や乗客が減ったり、LCC(ローコストキャリア)が台頭することによる危機感まで、若干関連の薄い内容もありますが、日本一(世界一?)の鉄道会社であり、我が地元であるJR東日本に対する愛憎が満ち溢れているようでありました。

 これから、このWeblogがどれだけ続くのかは分かりませんが、150回書き続けて一つだけ言いたいのは、JR東日本が日本の鉄道界の模範となるべきであり、そして、JR東海と協調(懐柔してもいい)して巨大連合を作り、飛行機などの他のライバル交通機関に対抗せよ!ということです。まずは一度くらい共同で企画きっぷでも作ってみろ!と思います。

 あの仲の良くなかった関西の鉄道各社(JR西日本含む)でさえ一部で協調して観光客を送客し続ける時代です。鉄道界全体が苦境に立たされるなかで、JR東日本と東海が反目し続けている理由などないはずですし、我々利用者に何のメリットもありません。

 JR東海の方が株価が高くて、規模はJR東日本の方が大きい、というアンバランスが良くないのかもしれません。
 もしかしたら両社のことだから、裏では相互不可侵なんて風潮があるのか、とも思ったり。

 そうだとしたら、利用者のためにはまったくならないので、東海道新幹線の熱海~東京間はJR東日本に、軽井沢~長野間など新幹線を含めた長野県内全路線をJR東海にそれぞれ割譲し、2社がどうしても協調しなければ運営できないようにすべきだ!
 などと、マニアの若干妄言めいたことを吐いたところで、151回目の更新を終わります......。

 明日からは少しでも役に立つことを書くよう頑張ります!

※写真の2009年に廃止された寝台特急「富士」(東京~大分)のように、JR東日本、東海、西日本、九州という4社に渡るような全国ネットワークJRならではの直通列車を復活させるべきだ!(今日は「べきだ!」が多いですね......) 
p120813p01.jpg
 再開3日目です。
 昨日、JR北海道が10月にダイヤ改正を行うという「公式発表」された話題について書きましたが、もう一つ、同時期に「非公式」として発表された内容がありました。
 江差線(函館・五稜郭~木古内~江差、約80km)のうち、木古内と江差の間(約42km)の廃止へ向けてJR北海道が動き出したというのです(江差線付近の路線図はこちら)。

 今月9日に新聞各紙で一斉に報じられている内容を総合すると、JR北海道は江差線の木古内~江差間を「2014年春にも廃止する方針を固めた」(北海道新聞)ことが7日に明らかになったとのことです。

 その理由についてJR北海道は「11年度の輸送密度(1キロ当たりの1日平均利用者数)が41人とJR北海道の中で最も低く、大幅な赤字で収支改善が期待できないため(北海道新聞)としており、沿線自治体である江差、上ノ国、木古内の3町と「これから協議を進めたい考え」(産経)があるようです。

 これに対し、沿線3町からは「収支が悪いという説明は受けているが、廃止は寝耳に水だ」(産経)という声が上がる一方、朝日新聞によると江差町の浜谷一治町長は「江差線の状況からすれば無理は言えず、わからないわけではない」と一定の理解を示したとされています。また、北海道新聞も8月10日の社説で「採算が見込める輸送密度8000人をはるかに下回っているだけに、いずれは廃止やむなしとの見方も地元にはあったようだ」と明かしています。
 「北海道内の路線で輸送密度が100人以下は同区間と札沼線(学園都市線)北海道医療大学~新十津川(89人)だけで、以前から廃止の可能性が指摘されてきた(朝日新聞)のも事実のようです。

 加えて、江差線を取り巻く近未来の変化を考えると、この区間が廃止されるのは、おおむね予想されていたことといえます。

 JR北海道のなかでトップともいわれる閑散区間であるうえに、2015年度に現在の東北新幹線が新青森から函館まで延伸(北海道新幹線)されることになっています。これにともない、並行在来線である江差線の五稜郭~木古内間は第三セクター化されることがこの5月に決定しています。
 そのため、木古内~江差間だけがJR北海道の路線として取り残されることになります。JRにとって超赤字区間だけを存続しても何らメリットはありません。

p120813p.jpg
 五稜郭と木古内の間は、北海道と本州を結ぶ貨物列車の運転ルートとなるだけに、廃線するわけにはいきませんし、沿線には人口4万人弱の旧上磯町(現北斗市)と同5000人の木古内町の大部分が含まれており、利用客はそれなりに見込めます。

 これ対して木古内と江差間は、沿線の大部分を占める上ノ国町の人口が6000人弱、終点の江差は支庁(「道」の出先機関で現在は振興局という名称)を置く檜山地方の中心地ですが、人口が減りに減ってついに9000人弱にまでなってしまっています。
 また、江差町内唯一の駅である江差駅は市街地から離れた住宅地で線路が途切れており(写真右上)、江差の人にとって鉄道がそれほど便利な存在ではないのかもしれません。港がある江差中心部から函館へは路線バスが1日6往復運転されており、所要時間も運賃もJRとほとんど変わりません。JRの利用者が少ないのは、そういう背景があるのでしょう。

 このように、廃止すべき要因が嫌というほどあるのは十分に理解できる、できるのですが、やはり、また北海道に鉄道空白地帯ができてしまうのは、とても悲しい。

 JR東日本だって、並行在来線の第三セクター化で取り残された大湊線を見捨てなかったじゃないか!
 しかも「リゾートあすなろ下北」なる観光列車まで走らせ、接続する第三セクター鉄道「青い森鉄道」で「青春18きっぷ」客に通過乗車させてまで、客を呼び込もうとしています。
 もちろん、陸海自衛隊の基地を擁した人口6万の「むつ市」(加えて人口4500の横浜町も)を抱える大湊線と比べると、江差線の木古内~江差間の沿線人口は4分の1もない。けれど、歴史的な江差の街には観光資源も多いですし、奥尻島(人口3500超)の玄関口でもある「観光地」なのです。

p120813p02.jpg
 「しかし、それらが十分に生かされているとは言い難い。公共交通による移動手段が限られていることが一因とも考えられる。新幹線停車駅の木古内は、本州から訪れる観光客の檜山管内への玄関口になり得る。そうした情勢も踏まえて、渡島半島全体の振興につながる交通網整備を進めるべきだろう」(北海道新聞8月10日社説)

 新幹線駅となる木古内は、新たに江差や奥尻、城下町松前への観光拠点となりうるはずです。そう考えれば、北海道新幹線の開業を機に、ローカル鉄道にも発展的な動きをしてもいいじゃないか......。
 江差線や大湊線と同様に、国鉄時代に廃止対象を絞り込むための「全国赤字83線」に指定されていた日南線も枕崎線も、JR九州が懸命にテコ入れして観光客を呼び込んで存続させています。

 新幹線で都市間さえ結べば、あとの弱小路線は切り捨てるだけでいいのか?
 「新幹線開業=ローカル鉄道の衰退・廃止」ばかりが続いている現状を見るにつけ、何のため、誰のために新幹線を作ってるのか? 疑念ばかりが残ります。


※中ほどの写真は江差駅付近の様子。町はずれの住宅地で線路が途切れており、役所や港がある中心部へは徒歩15~20分ほどかかる。
※下の写真は北海道新幹線の駅が作られる予定の木古内駅。並行在来線の第三セクターには写真のようなJR(国鉄時代)の中古車両が格安で譲渡される予定
p120812.jpg
 再開2日目になりました。
 JR北海道が再来月(10月)27日に独自のダイヤ改正を行うことが先日発表されました。(詳細はこちら[PDF]

 札幌から石狩当別を通り新十津川まで80km弱を結んでいる札沼(さっしょう)線のうち、途中駅の北海道医療大学駅まで「学園都市線」と称している札幌近郊の約30km区間を電化。これに伴う改正で、10月からは札幌通勤圏の電車が一体化して運行されることになるそうです。

 今までディーゼルカー(気動車)で運転していた札沼線の一部が電化によって高速化・増発されて「便利」になる一方、古くから電化している室蘭本線の一部区間(室蘭~苫小牧)では、逆に電車からディーゼルカー化して「不便」にするという変更も予定されています。

 室蘭本線は、室蘭~東室蘭(室蘭)~苫小牧(正確には次の沼ノ端駅)間で電化され、特急電車の「すずらん」や普通列車は主に国鉄時代の赤い電車(右上写真)で走っていたのですが、10月の改正後は室蘭と苫小牧間を結ぶ普通「電車」をディーゼルカーによるワンマン運転の普通「列車」に変えるというのです。
 「電車」の高速性を捨てて、わざわざ速度が遅い「ディーゼルカー」にグレードダウンする格好となります。

 ここを読んでいるような鉄道に詳しい方々は「あ、なるほど」と事情が分かるとは思いますが、これはなかなか見られない不思議な「改正」です。

 一言で言うと、「客がいないから電車を動かすのがもったいない!」ということが理由です。
 JR北海道の「電車」は最短で3両編成にしかならないのですが、「ディーゼルカー」にすれば1両だけでも運転することができますし、車掌を載せないワンマン運転も可能です。運行にかかる無駄が省けるというわけです。
 もう一つは、短編成やワンマン化に対応した新しい電車を造るお金がないという事情もあるようです。

 電化しているのに、電車ではなくディーゼルカーが走っている場所は全国に幾つかあります。
 有名なところでは羽越本線の村上~酒田間で、特急は「電車」ですが、普通列車はすべてディーゼルカーで運転されています。江差線の五稜郭~木古内間も「津軽海峡線」として電化されてますが、普通列車はディーゼルカーしかありません。

p120812p2.jpg もう一つは、九州新幹線の開業で第三セクター化されてしまった旧鹿児島本線の「肥薩おれんじ鉄道」で、貨物列車を電気機関車で高速運転するために電化設備自体は残していますが、第三セクター化と同時に、列車はすべてがディーゼルカーに変わりました。

 これらに共通しているのは、「交流」で電化されている区間だということです。羽越本線は途中まで直流区間も交じっています。

 日本の主要路線の多くは「直流」での電化ですが、直流型の電車に比べ、交流型電車を造るためには余分なコストがかかるといわれています。
 交直両用の電車だとさらにコスト増となるために、羽越本線では直流と交流が交わる区間だけ(この区間の客が少ないという理由もありそうですが)、ずっとディーゼルカーのままで放置されています。

 日本の鉄道界に君臨するJR東日本でさえそんな状態ですから、JR北海道が車両を新造するのはかなり困難なことといえます。旧型の赤い国鉄型電車をまだ使っているくらいですから、その苦しさが分かるかと思います。

 電車化と非電車化が同時に行われるという稀有なJR北海道のダイヤ改正。この情報を見ながら、今後は他の「電化ローカル路線」で同じようなことが起きるかもしれない、とふと思いました。

 北海道の岩見沢~旭川間なんかも、今の赤い普通電車が老朽化で廃車となったとき、札幌圏で走っているような緑色の新しい電車を客が少ない区間に入れるのか否か。
 時速130kmで特急電車がビュンビュン行き交うなか、1~2両のディーゼル普通列車が架線の下をのんびり走っている様子が少し目に浮かんできたりしました。


※写真右上は10月のダイヤ改正で室蘭本線から撤退する国鉄型の711系電車。登場から30~40年経つので廃止は近いとみられる。
※左下は「肥薩おれんじ鉄道」のディーゼルカー、全線で電化しているが、電車は1両もない。

※江差線廃止に関する話題は別に翌日書きました
p120801p2.jpg
 49回目となりました。
 私は通勤に東京メトロの南北線を日々使っているのですが、ここには、相互乗り入れの東急目黒線とともに、第三セクターの埼玉高速鉄道の車両も乗り入れてきます。
 私がいつも乗る列車には埼玉高速鉄道の車両に当たることが多いのですが、そこでは男性向け美少女アニメからそのまま抜け出したような「川口みその」なるキャラクターを時折見かけることがあります。

 これは一体何だろう、と思って調べてみますと「鉄道むすめ」というもので、「実際の鉄道事業者の現場で活躍する制服を着たキャラクターコンテンツ」だそうです。
 展開しているのは、トミーテックという会社で、あの「TOMY」です。プラレールやNゲージの鉄道模型だけでなく、鉄道を使ったこんなキャラクタービジネスまでやっていたようです。

 同社の説明によると、鉄道むすめは「全国各地の実在する鉄道事業者で、実際に活躍する様々な職種のキャラクター」であり、それらはフィギュアをはじめとした各種グッズとして販売されているほか、埼玉高速鉄道のように、鉄道会社が自社のPR目的に活用していることもあるようです。

 100年以上続く男中心社会の鉄道会社ではありえないような空想世界ゆえに、男性が多い鉄道趣味人らに人気を集めているのか、今や全国30以上の鉄道会社の乗務員やアテンダントなどの「キャラクター」が創られています。

 その名前の付け方がまた面白く、たとえば埼玉高速の運転士だという「川口みその」は、川口市内を走っていて、浦和美園駅があるからから名付けたんだな、ということがイメージできるようになっています。
p120801.jpg
 いくつか例を挙げると「栗橋みなみ」は東武鉄道とか、「橋本わかば」は京王電鉄、「羽田あいる 」は東京モノレール、「大月みーな」は富士急行、「久慈ありす」は三陸鉄道、「和倉ななお」はのと鉄道、「但馬みえ」は北近畿タンゴ鉄道といった具合に、鉄道に詳しい層なら思わず「にやり」とするようなキャラクター名(駅名や沿線の地名からとっています)を付けており、絶妙なものがあります(東武の駅員だという「渡瀬きぬ」はちょっと......という感もありますが) 。

 あまりにもアニメの世界が色濃く出ているために、好き嫌いがあり、一般に広く受け入れられるものではないとは思いますが、三陸鉄道や銚子電鉄、上田電鉄、北近畿タンゴ鉄道、一畑電車などの地方鉄道が活性化に役立てようとしていることを考えると、こうした世界からの知名度向上や訪問客誘致のアプローチも悪くはないのかなと思います。

 鉄道むすめが始まったのは2005年ですが、現在もJR各社は、子会社の車内販売員レベルでしかキャラクター化は認めてはいないようです。もし、JRがこういうキャラクターを認知した時にはさらに広まるのかもしれません。

 で、素人ながらの考案ですが、さらにある分野の女性層に受け入れてもらうために、車掌の格好をした「執事」風なキャラクターとかいかがでしょうか。立膝をして、「お嬢様」の言うことをなんでも聞いてくれそうなイメージで。
 また、私のような国鉄好きには、赤字ローカル線のみどりの窓口係員「永年赤子(ながとし・あかこ)」とか、当局経営陣との団体交渉に望むリーダー格組合員「須戸良子(すと・よしこ)」とか......。
 私以外の誰も買わないかもしれませんが。

※写真上は埼玉高速鉄道の「川口みその」(同社サイトより)、写真下はトミーテックによる「鉄道むすめ」の公式サイト
200707.jpg
 46回目となりました。
 昨夜、途中まで書いたものの技術的な問題で更新がうまくいかず、断念してしまいました。無料のツールで作った半自作のブログシステムなので、あまり細かい表現ができないのです......。ということで2日ぶりとなりました。

 この10年間、夏の時期にどこへ行って何をしていたか、ということを縷々書いてはみたのですが、「こりゃ、何の役にも立たない......」と7割くらい書いたところでようやく気付いて削除し、今に至っています。

 そろそろ心身ともに夏バテしたようで、ついに書くあてがなくなってしまったようです。
 ということで、今夜は鉄道とは何ら関係のない話です。

 先週末(27日金曜日)に英国ロンドンでオリンピックが開幕したということで、特にテレビでは一日中、大騒ぎしています。
 ニュース番組と野球中継とテレビ東京の旅番組にしか興味がもてない人間としては、NHKをはじめとしたテレビ局による「お祭り騒ぎ」に少々うんざりしているのですが、それでも日本の選手が出ていると、普段は接することが皆無のスポーツであってもついテレビを眺めて応援してしまっています。

 なかでも、見ていて面白く、分かりやすいのが柔道です。
 1試合が5分以内で終わるというリズムの良さもありますし、一応私も日本国民として高校生のころには強制的に柔道着を着させられたこともあって、ルールもそれなりに分かるという理由があるのかもしれません。

 柔道は言わずと知れた日本発祥の競技です。その歴史を調べてみますと、柔道自体は江戸期からあったようですが、正式な発祥年とされているのが1882(明治15)年(嘉納治五郎が講道館を創設した年)。今年でちょうど130年が経っています。
 1962(昭和39)年の東京オリンピックで初めて正式競技となったことを考えると、「国際化」してからも約50年が経ったことになります。

 そんな日本で長年培われた国技も、「輸出」から半世紀を経て、最近は日本が金メダルを取ることが難しくなっているようです。それだけ、世界の国々(特にロシアや仏独)に浸透して独自に強化が図られているといえます。
 日本の柔道界の状況は、鉄道発祥の国なのに低空飛行をを続ける英国鉄道のごとくです。

 今年(2012年)から日本の中学生に柔道を必修化したそうですが、受け身とか技とか体で覚えさせる前に、世界に誇る日本発祥の競技として、まずは知識としてもちゃんと教える必要があるのではないか、ということを強く思います。
 日本が世界に誇れるのは、自動車やゲームやアニメやデジカメやスシだけじゃないんだぞ!と。
 どうも体育の授業はまず実践から入ろうとしますが、頭で覚える基本が少なすぎるのです。

 日本から生まれたスポーツ(日本では「武」の「道」ですが)なのですから、日本人自身がその歴史や背景を知らないでどうするんだ!、と、高校時代にその重要性がわからずに柔道が嫌いになっていた者からの提案でした。

※写真は2007年8月の茨城交通湊線(現ひたちなか海浜鉄道)の風景です。5年前にはまだこんなディーゼルカーが現役で走っていました。いい風景です。
p120727p.jpg
 45回目となりました。
 昨日(正確には一昨日)の26日(木)15時に時事通信が配信したニュースによると、JR西日本の真鍋精志社長は「26日までに」同通信社のインタビューに応じ、「需要が大幅に減少している路線について『将来的に、鉄道の代わりにバス運行するのも選択肢』と述べた」ということです。

 これ以外にも同社長は、日本経済新聞や産経新聞、神戸新聞、北陸新聞などの個別(単独)インタビューに応じているとみられますが、「鉄道の代わりにバス運行するのも選択肢」という発言は時事通信社にしか行っていないようです。

 たとえば、日経には「山陽・九州新幹線の直通列車の増発を検討する考え」を示しており、産経には「鉄道会社間でパイの奪い合いをしている場合ではない。長期的な視野で互いのネットワークを上手に使うのが重要」と述べて私鉄との連携に意欲的な姿勢を見せたといい、北陸新聞には北陸新幹線について「次善はフリーゲージ」などと述べたとされています。
 これは、ネット上で発信されている情報に限って調べたものなので、もしかしたら他の新聞にも個別インタビューに答えているのかもしれません(多分、横並びに応じているはずです)。

 「鉄道代替バス」については、時事以外が報じていない点が気にかかりますし、26日「までに」(この「までに」というのがクセ者。一体いつしたんだ?)インタビューしたにもかかわらず、今日(27日)の第1四半期決算の発表に合わせるかのようにぽっと出てきた点など、発言の背景や同社の広報戦略(「縛り」とか言って、○日まで公表しないことを約束する見返りに単独インタビューさせてもらう。当然媒体によっても発言内容を変える)上の狙いを探る必要もあります(時事以外の他媒体も同様)。

p120727p2.jpg
 もしかしたら時事の優秀な質問者がこの答えを引き出したのかもしれませんし、たまたま社長が思いつきで言ったのかもしれないにせよ、記事の内容が「ねつ造」ではないことを信じれば、トップも含めこうした考えがJR西日本にあるのは事実なようです。
 万が一「ねつ造」なら反論コメントを出すはずなのに出していないところを見ると、発言をそのまま受け取ってもよい、と判断できます。

※ここまでくどくど述べたのは、JR西日本という上場企業なりの情報公開戦略があるということと、それに報道各社がそのまま乗っかっている可能性があるという点を知っておかなければならないと思ったからです。要は、先日書いた「メディアリテラシー」でいう「100%信用したらダメですよ、背景を読み解きましょう」という意図です。

 メディアリテラシーの問題はともかく、今日ここで書きたかったのは、やはりJR西日本の社長が赤字ローカル線のバス転換を否定しなかったという発言にあります。

 昔、国鉄時代にはローカル線の廃止を「廃止」と言わずに「バス転換」と称していましたが、バス化するということは、鉄道を廃止するということです。バス転換などともっともらしいことを言ってはいても、それが意味するところは「鉄道廃止」なのです。

 具体的な線区を挙げていないので、どこを指して言っているのかは分かりませんが、時事通信のインタビュー記事によれば、「例えば山越えの路線で、設備の老朽化に対してコストをかけるより、鉄道をなくして(需要のある)エリアごとにバス運行する方が利便性が高まるのではないか」と語ったとされています。

 たとえば、木次(きすき)線の備後落合(広島県)~出雲横田(島根県)間や、芸備線の備後落合(広島県)~東城間(岡山に近い広島県の県境駅)のように、1日3往復という究極まで列車本数を減らして維持している中国山地の県境越え区間などをイメージすると分かりやすいかもしれません。
 誰も乗らないんだから、もう、鉄道をやめさせてくれよ、という叫びともとれます。数日前に書きましたが、山陰本線でさえ特急列車が2両で走っていてもガラガラですから、ローカル線の乗客数は悲惨な状態になっているのだろうと推察されます。

 ただ、4~6月(第1四半期)の売上高が前年より上がっていて、163億円の利益を計上しているにも関わらず、こういう観測気球的な発言(方針?)をぶちあげ、地方都市の反応を見る(だからこそ「時事」にしたんだろうと思います。共同通信だったら、即地方紙の記事になって騒ぎになる)という手法に、実に嫌なやり方だな、と感じました。

 なぜ地方の街を不安にさせるような発言が定期的(2010年にも似た趣旨の発言をしている)にトップの口から出てくるのでしょうか。
 それだけ経営が苦しいのか、それともJR西日本お得意の公的支援を引き出す戦略なのか、何にしても愉快ではないニュースでした。

※写真上はJR西日本の某ローカル線、小さなレールバスが1両で走っています。下は時事通信社が7月26日(木)15:01に配信した記事(http://www.jiji.com/jc/c?g=ind_30&k=2012072600560より)。クリックすると拡大します。
5syasen.jpg
 今夜で44回目です。
 つい数日前、東急東横線(みなとみらい線)と東京メトロ副都心線、西武池袋線・東武東上線が来年3月16日(土)に相互乗り入れを開始すると発表しました。

 「元町・中華街~横浜~渋谷~新宿三丁目~池袋~西武池袋線または東武東上線」という全長80~90kmの区間に直通列車を走らせる計画で、現在の東急・渋谷駅を地下化し、東京メトロ副都心線と直結します。これにより、横浜・東京・埼玉の鉄道ネットワークが新たにできることになります。

 東急東横線(目黒線もありますが)沿線の住人からすると、目の前の線路にいきなり西武や東武東上線の電車がやってきて、「所沢行」「飯能行」とか「川越行」「森林公園行」とか、普段は目にしないような地名が表示されているわけですから、ある意味で革命的な出来事かもしれません。

 余談ですが、東急東横線と一部並走(田園調布~日吉)している東急目黒線が近い将来(2019年ごろ?)に相模鉄道と相互直通運転をする計画があります。
 もし、そうなると田園調布から日吉の各駅は、東急東横線、みなとみらい線、メトロ副都心線、西武池袋線、東武東上線、東急目黒線、メトロ南北線、埼玉高速鉄道、都営三田線、相模鉄道と10路線の電車が入り乱れることになります。もはや、行先も車両も無茶苦茶で何が何だか分からなくなりそうです(それはそれで楽しそうですが)。

 話を東横線に戻しますと、3月16日以降は、今までのターミナル駅の渋谷の役割が大幅に縮小され、昼間は1時間に14本が副都心線(西武・東武東上)方面行きとなり、4本のみが渋谷発着列車となるそうです。また、菊名発着の列車が1時間に2本設定される一方、これまで乗り入れていたメトロ日比谷線の電車はすべて中目黒発着に変更される予定です。

 ちなみに、横浜駅から新宿三丁目駅までは最短32分、池袋駅が同38分、所沢駅までだと同70分、川越駅へは同78分で結ぶといいます。
 文化圏がまったく異なる西武や東武東上と東急東横線を行き来する客がいるとは思えませんが、現在行き止まりの渋谷駅を通過して、違うターミナルへ抜けられるというのは、非常に便利な気がします。
 マニア的にはターミナル(終端)となった渋谷駅は非常に見栄えはいいのですが、朝のラッシュ時などは人が線路に落ちそうなくらい溢れていて、限界に近づいているようでもありました。

 ただ、みなとみらい線開業時に横浜駅が地下になった時もそうでしたが、渋谷駅の地下化により、JRとの乗り換えが著しく遠くなりそうなのが残念です(かなり深い場所にあります)。
 そして、渋谷ターミナル駅もあと半年超の命かと思うと、今になって少しばかり寂しい気もしてきました。

※写真は上から東京メトロ(副都心線)、東急、みなとみらい線、東武東上、西武の乗り入れ予定車両(5社のサイトから転載しました)
p120719.jpg
 38日目となりました。
 このブログ(Weblog)にはタグクラウドと言って、内容に関係するキーワードを付けています。そのなかでもっとも多いキーワードが右側にあり「JR東日本」とか「フェリー」とか「北海道&東日本パス」といったものが並んでいます。今日まで135回書いてきたなかで、JR東海や西日本はもちろん、JR九州や北海道もあるのに、なぜかJR四国に関連することが1つもないことに気づきました。

 JR四国は香川、徳島、愛媛、高知の四国4県をエリアとしているのですが、JRのなかでは最も規模が小さい会社です。

 年間売上で言うと、鉄道だけでなく駅のパン屋とか関連事業を含めても、JR大阪三越伊勢丹に満たないくらいしかありません。日々頑張って列車を動かしていても、たかがちょっと高級なデパート1店舗分にも満たない程度しかお金が入ってこないのです。
 1年の売上が480億円弱という数字は、鉄道会社では、山梨県の富士急より少し多く、山陽電鉄より少ないレベル。愛媛のローカル企業である伊予電鉄にさえ遠く及ばないくらいの規模というのが驚きです。

 JR四国について何か書かねば!と思ってここまで調べてみたのですが、なぜか何も思いつきません。
 他の会社なら皮肉にせよ、情報にせよ何らかのことが思い浮かぶのですが、JR四国は本当に何も出てこない......。それだけ、自分のなかでは注目していなかったのかもしれません。

 ちょっと反省しまして、これからは何らかの形でJR四国のことを気にして応援していこう!そんな宣言したところで、今夜はこれくらいにします。

※写真は夜行快速「ムーンライト高知」(京都~高知)のグリーン車内です。いつの間にか廃止されてしまい、それも四国から遠ざかった遠因かもしれません......。
p120717.jpg
 連続更新36日目となりました。
 先週の3連休中は九州の福岡北部や大分、熊本などがゲリラ豪雨にみまわれ、30人近くが命を落とすなど大変な被害を及ぼしました。

 東では地震、西では豪雨とこのところ日本各地で大きな災害が続いています。
 それにともない、鉄道も甚大な被害を受けています。これまでの地震と災害で不通となっている区間を計算してみますと、なんと500kmにもおよんでおり、距離で言うと東京から京都までの鉄路が復旧できずにいるのです。

 今回の九州での災害も含め、不通となっている路線と区間を下記に挙げてみます。

【7月豪雨】(計142km)
・久大本線:筑後吉井(福岡県)~日田(大分県)(21km)
・日田彦山線:添田(福岡県)~夜明(大分県) (29km)
・豊肥本線:肥後大津(熊本県)~緒方(大分県)(78km)
・平成筑豊鉄道田川線:崎山(福岡県)~田川伊田(福岡県)(14km)

【東日本大震災】(計300km)
・大船渡線:気仙沼~盛(44km)
・山田線:釜石~宮古(55km)
・石巻線:渡波~女川(9km)
・気仙沼線:柳津~気仙沼(55km)
・仙石線:高城町~陸前小野(12km)
・常磐線:広野~原ノ町(49km)および相馬~亘理(28km)
・三陸鉄道北リアス線:小本~田野畑(11km)
・三陸鉄道南リアス線:盛~釜石[全線](37km)

【その他の災害】(計56km)
・只見線:会津川口~大白川(48km)
・大井川鉄道井川線:千頭~奥泉(8km)

【事故】(計3km)
・三岐鉄道:東藤原~西藤原(3km)

【災害発生後、復旧をあきらめ事実上廃止】(計56km)
・岩泉線:茂市~岩泉[全線](38km)
・名松線:家城~伊勢奥津(18km)

 九州の不通区間142kmは、まだ復旧作業が始まったばかりなので今後どうなるかは分かりませんが、JR九州の発表(PDFファイル)によりますと、路盤の流出などが76件もあるそうなので、全面復旧までにはまだ時間がかかりそうです。

 東日本大震災の300kmは深刻です。震災から1年4カ月を経てもこれだけの区間が、地震後のままなのです。地域の復興計画が決まらなかったり、原発災害が未だ続いているといった事情もありますが、本当に復旧できるのか、不安にもなってきます。

 経営状態が良好なJRとは違い、被害を受けた三陸鉄道や平成筑豊鉄、大井川鉄道などの中小鉄道は経営に与える影響も心配になります。

 被害を受けた線区はほとんどがローカル線です。経営的には儲からない路線だというのは分かりますが、岩泉線や名松線のように、災害を契機に事実上廃止ということがないように、どうか祈りたいものです。

※写真はJR東日本のサイトより。クリックすると拡大します。