"横浜人"が誇る港街、日本の第一歩はぜひ大桟橋から

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 13日目になりました。
 この夏で私が横浜に移り住んで4年が経ちました。

 ただ、住んでいるのが限りなく東京や川崎に近い場所であり、普段は都心へ通う「横浜都民」です。
 ゆえに日常では"横浜らしさ"のようなものを感じる機会はほとんどないのですが、横浜という街の素晴らしさは、万年最下位のソーシャルゲーム買収球団......(親会社はともかく「横浜ベイスターズ」自体は嫌いではない)ではなくて、やはり「海」や「港」にあると思っています。

 元が大阪人のためか、住む前はどこかおしゃれなイメージがある横浜の海に嫌悪感すら抱いていたりしたのですが、あるきっかけを境に、そんな思いがなくなりました。

 以前、横浜大桟橋に入港したマイナーな欧州のクルーズ船を取材したことがありました。
 一応、船の中は「国外」ということでパスポートを持って、港の税関のようなところを抜けて乗船すると、船は停まったままであっても、やはりそこは「海外」なわけです。船長以下、乗組員も客も全員が欧州の方ですし、船内も(通訳以外は)日本語が一切ありません。

 船のなかではフォークとナイフのみでランチを食し(箸などもちろんない)、船内をくまなく歩きながら船長らの話を聞いて、半日ほど「海外」で過ごして横浜港で"下船"すると、横浜の街がまったく違って見えるわけです。どこか、海外の港にたどり着いたかのようにさえ思えました。

 何より、街並みを見ていて心地よいのです。みなとみらい地区の人工的な高層ビル群はともかく、大桟橋付近は要所要所に古い建物があって都心とは思えないほど落ち着いているのです。
 横浜って、こんなに美しい街だったのか!と驚き、以来、横浜の大桟橋周辺の港街が自分の中での"横浜人"の誇りのようになっています。

 海外から日本へ初めて来る人がいたとしたら、ゴルフ場と工業地帯ばかりが目につく成田や羽田なんかではなく、第一歩は横浜大桟橋から横浜の街を見てほしい。
 日本人として、またわずか4年目の"横浜人"として、これだけは自信と確信を持ってお奨めできます。

※写真は山下公園に係留されている日本郵船の「氷川丸」。1960(昭和35)年まで横浜~シアトル間を結んでいました。この頃までは日本での第一歩を、横浜港から踏み出す海外の訪日客も少なくはなかったはずです。