わずか2両の特急列車、過酷なローカル本線

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 27日目になりました。一カ月連続更新まであと少し、頑張ります!
 昨日、JR西日本のWebサイトを見ていましたら、特急列車が停車駅にも関わらず誤って通過してしまった、という報告が掲載されていました。

 この「事件」(役所用語で「インシデント」というのか「事象」というのか分かりませんが)は、先週の木曜日(7月5日)に山陰本線・益田発鳥取行の特急「スーパーまつかぜ6号」が、停車駅である仁万(にま)駅を「停止位置を約370メートル行き過ぎて停車」。本来であれば戻って再度停まればいいのですが、「後方に踏切が介在しており、後退することが出来なかったため、次の駅の大田市駅まで運転」したということです。原因は運転士の勘違いだそうです。

 で、単純に乗車や下車する人はどうなったんだろうな、と疑問が湧いてきました。
 なぜか、乗車する人がいたか否かは書かれてなかったのですが、「仁万駅で降車されるお客様はありませんでした」とのこと。この特急「スーパーまつかぜ」の乗客数は15名だけだったそうです。

 特急列車なのに乗客は15名・・・。この列車に使われている新型ディーゼルカーは1両あたりの定員が約110名ですから、3両の総定員の330名に対しわずか15名。乗車率5%以下という惨状です。
 当日、大雨の影響で同列車がたまたま途中の江津駅始発に変更された影響があるのだと思いますが、それでも「こんなにも乗っていないのか」と驚きました。

 今、山陰本線の特急列車はほとんどが2両編成で、普通列車も同じく2両です(1両もある)。
 最初はわずか2両きりの「特急」に驚いたものですが、この状況を見ると、1両編成になるのも近いかもしれません。

 かつて大阪駅から博多駅まで、食堂車やグリーン車も含めた10両のディーゼルカーを連ねて山陰を走り抜けていた特急「まつかぜ」も、スーパーとかいう変な冠こそつけられて、スピードアップが図られても、乗る客は増えるどころか減る一方です。
 この小さな「事件」から、ローカル線の置かれた過酷な経営状況の断片を見た気がしました。

※写真は山陰本線で運転されている特急に使われるディーゼルカー。のっぺりとしてどこかカッコ悪いと思うのは私だけでしょうか(ただ、スピードは速いです)