美しい夜明け空に誓った思い

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 23日目、といいたいところでしたが、昨夜はついに力尽き、連続更新は3週間で途切れてしまいました。すみません......。今回は21日で終えました。

 一昨日の夜、「懇親を深める集い」(巷では宴会とか接待とか言われている行為)に参加していたのですが、店員から看板だから帰れと促されて時計を見ると23時半。
 一同、「今夜はおひらき」の雰囲気になっていて、ここでやめておけばいいものを、「では終電まで30分ほど」と私が口走ってしまったがために、次なる店に追い出された時は午前3時過ぎ......。
 店を出る瞬間を見計らったように、見事な接続で目の前にタクシーが現れ、観念して乗り込みました。

 方向が似ている同乗者を降ろすべく、あちらへこちらへと寄り道しているうちに、黒い空は薄くなるばかり。まさに夜が透き通っていくような風景です。
 喋り好きな老年運転手による「断酒のすすめ」みたいな耳の痛い眠気覚まし話を聞きながら、窓の外を見ると近年みたことがないほどの美しい夜明け空。
 「こんなところで何をしているんだろう。夜行列車でこんな車窓を眺めたい......」という反省とも後悔とも言えない逃避の思いが湧き出てきました。

 自宅に到着し、「二割増」の赤いランプがともったメーターを見ると9450円。偶然にも特急B寝台と同料金となっていた数字面を睨み、「もう深夜まで飲まない!」と、どうせその日限りで消える反省の思いを心の中で唱えたのでした。

 明日から7月。深夜の高価なタクシー紀行ではなく、今月こそは旅で夜汽車に乗れることを祈るばかりです。

※写真は夜行急行「能登」の座席車。上野から金沢へ向かう下り列車での夜明けは、日本海とともにあり、夜行のなかでは一番素晴らしい車窓のような気がします。