「スマートフォン」なるものは役に立つのか

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 今夜は21日目、なんとか3週間続けることができました。
 が、気が付くとこんな話題に手を付けてしまねばならぬほど、書きたいテーマや出来事が不足しているようです。もういっそのこと、「会社なう」とか「小諸そばなう」のごとき、他人が見ても何の役にもたちそうもない内容を100日間くらい流布し続けて見るか、などと投げやりな気持ちになってきています。(少しだけ)

 このところ、「スマートフォン」なる言葉が世に広まりつつあります。例のごとく「スマホ」などと略されたりして、語感だけでは何のことか分からなかったりするのですが、いわゆる携帯電話機(ケータイとも表される)の一種で、新聞では高機能携帯電話機と訳しているようです。

 このスマートフォン、一言で述べると、携帯電話機にパソコンの機能をくっつけた「電話機」。もともとはビジネスマンなどが、外出先でもパソコンと同じようにメールやインターネットができ、ワード、エクセルといったオフィスソフトもケータイ電話からも使えるようにしたもの。
 パソコンを持ち歩くのは面倒だけど、外出先でもメールやインターネットはせざるを得ない、なら、常に持ち歩いている携帯電話にくっつけてしまえ!という発想で作られたものです。

 なんと単純な発想だ、と思うのですが、これが一部のビジネスマンやマニアにウケたのです。
 私は長年携帯電話を嫌悪し続けた末に、一時は公衆電話生活をおくっていたのですが、パソコン機能と電話機を一つで持ち歩けるなんてすばらしい!ということで飛びついてしまい、写真のような機種を買ったのが3年ほど前のことでした。
 このスマートフォン、私にとっては当初期待どおりの働きをしてくれて、2冊の拙著はこの「電話機」がなければ書けなかったほどで、未だに大事に使っていて、この原稿もそれで書いていたりします。

 ところがその後に米国のアップルという企業が「iPhone(アイフォーーン)」(※皮肉です、口語発音はアイフォンなのですが某企業の商標により、表記だけは伸ばす傾向があります)が登場し、この遊びだか仕事だか趣味だか分からない機能を満載した「電話機」が登場し、世界を風靡。これがスマートフォンのスタンダードということになってしまいました。

 これに対抗すべく、米グーグルはAndroid(アンドロイド)なる仕様(OS)を作り、世界中に無料でバラ撒いた結果、それを助長する結果となり、iPhoneに酷似した「スマートフォン」が跋扈(ばっこ)。もはや当初のビジネス用途は忘れ去られて、単なる「高機能電話機」となっているのが現状です。

 なぜ今、スマートフォンがこれだけ話題になっているのかと言いますと、それは単に携帯電話会社が儲かるから(通話の収入よりデータ通信のほうが高利益)で、必ずしも便利さや機能が優れているからではありません。
 そもそも日本で売られている携帯電話機は、これまでも世界で例を見ない高機能ぶりでしたので、買い換える必要は少ないのではないでしょうか。

 では、スマートフォンの特徴である「アプリ」(アプリケーションの略、パソコンでいうところの「ソフト」です)を使うときはどうするのか、ということですが、まず考えてみるべきは、本当にアプリなるものが必要か? という点です。
 パソコンを買った時にはソフトが多数入っていますが、それらを本当に使っているのかを考えてみると分かると思います。
 ほとんどがハードディスク容量を浸食するためだけに、存在しているのではないでしょうか?

 アプリもそれと同じで、ほとんどがタダだからといって何でもかんでも入れても、大半はアイコンを見るだけの存在となるに違いありません。なにより、タダより怖いものはない!ということは、携帯ゲーム会社の無料ゲーム(後でアイテム課金なるものが多々発生する)が証明しているように思います。
 また、アプリのなかには悪質なウィルスが仕込まているケースもないとはいえません。スマートフォンのウィルスはパソコンの何倍も恐ろしく、個人情報や通話情報、位置情報などが一気に抜き取られてしまいかねない悪質さです。

 で、なんでここまで熱く書いているのか、自分でも分からなくなってきたのですが、要するに「携帯電話会社が吹聴するスマートフォンブームに乗せられるな」ということが言いたいのです。
 そして、個人的には、スマートフォンの当初用途であるビジネス仕様に戻せ、と願っているのです。

 とか書いていると、「お前が最近のスマホを上手く使いこなせないからだろ」と言われそうですが、それは事実です......。
 近年のスマートフォン機を会社から支給されて使っているのですが、タッチパネルなるものの不愉快さは群を抜いていて......。こんなもので文字が打てるか!とか、通話中にプッシュ音を発信できん!とか、若干八つ当たり気味になって熱くなっているのかもしれません。困ったものです。

※写真はシャープが2007年7月に発売したスマートフォン「W-ZERO3 [es]」。個人的にはこれこそがベストなスマートフォンだと信じて疑わないのですが......。