「青春18きっぷ」1枚でどこまで行けるのか?

1007p04.jpg 5日ぶりの更新です。

 今週末も未だ一歩も外に出ずに過ごしております。

 「週末になると、だいたいどこかに出かけてるんでしょ?」

 拙著を読んだ方々からよく尋ねられるのですが、ここを見て下さっている方ならご存知の通り、この数カ月、週末は一歩も家を出ることがなく過ごしております......。

 この週末は珍しく持ち帰りの仕事がなく、なおかつ暑くてどこへも行く気も起きないので、ぼーっと寝転がって時刻表を眺めていました。

 最初は適当にページをめくっているだけだったのに、いつの間にか「青春18きっぷ」1枚で果たしてどこまで行けるのだろうか? などという疑問が沸いてきまして、ついつい丸一日かけて調べ上げてしまいました。うーん、楽しい作業です。

 「これはすごい!こんな所まで行けるのか!」

 「発見」するたびに、興奮気味に妻に話してみたのですが、「あ、そう」といった反応しかありませんでした。。

 もしかすると皆さんのお役には立てるかもしれませんので、ここで密かに公開してみます。

 

▼ムーンライト「ながら」+青春18きっぷ1枚>>表をご覧ください

p1007p02.jpg 東京を23時10分に出発する臨時の夜行快速列車「ムーンライトながら」大垣行に乗った場合のプランです。

 小田原で日付が変わりますので、東京から乗った場合、小田原までの運賃1450円がかかります。また、全車指定席なので別に510円がかかりますが、普通・快速列車だけでもかなり遠くまで行けるんだな、と驚きました。

 九州の八代が一番遠いでしょうか。その他、長崎、大分の先の佐伯(さいき)など、相当遠方までたどり着くことが可能です。

 四国は4県すべてに行くことが可能です。室戸岬経由で高知へ行ったりすることもできますし、松山のかなり先の八幡浜という所から、九州へ渡ることもできます。

 山陰方面で最も遠いのが山口県の萩の先、長門市に至ることができます。ただ、残念なことに土日祝日は鳥取付近のダイヤが少し変わる関係で、益田までしか行けなくなります。車窓を楽しむのなら、出雲市で一泊してから、山陰本線を乗り通すのが楽しいかもしれませんね。

 意外なところでは、北陸へ行くにもこの夜行列車は便利です。金沢には10時に着いてしまいますし、富山でも12時です。週末を中心にいつも指定券が取りづらい理由が分かる気がします。

 

東京発の東海道線始発+「青春18きっぷ」1枚>>表をご覧ください

ture0401p6.jpg 東京から東海道線の始発電車(5時20分発、静岡行)で出発するプランです。

 首都圏でもこの時間だと乗れない方もいるとは思いますが、この始発列車でスタートすることには大きな意味があります。

 一つは静岡まで乗り換えなしで行ける唯一の列車であること、もう一つは特急用の車両を使っていることです。

 ゆえに18きっぷ期間中の土休日などは混んでいるようですが、東海道線を西下する際、18きっぷの旅には欠かせない存在です。

 結論から言いますと、1日では東京から九州までは行けません。以前は小倉まで行けたのですが、ダイヤが変わって接続が悪くなったようです。

 しかしこれで諦めてはいけない! ということで徳山から九州の国東半島に渡る深夜フェリーを見つけました。片道2600円で翌朝4時には大分県に上陸することができます。ただし日曜は夜行便が運休になります。難点はフェリーが到着する国東半島の「竹田津」から一番近い駅「宇佐」までのアクセスがあまり良くないことです。朝一番のバスが土休日運休(竹田津港発バスのPDF時刻表、宇佐駅まで所要50分、1150円)だったりしますが、国東半島の観光や九州南部へのアクセスには最適ではないでしょうか。

 四国は鉄路だけで松山までは行けず、今治が最遠の地になります。高知へもたどり着けず、最終地点は大歩危(おおぼけ)です。
 松山まで行くには、山陽本線の柳井港駅から松山近郊の「三津浜」へ深夜フェリーで渡る方法があります。三津浜から徒歩10~15分ほどの場所にある伊予電鉄の「三津」駅から。JR松山駅まで30分ほどでアクセスできます。(JR予讃線の三津浜駅へも徒歩20~25分程度で行けそうです)

 

▼上野発の東北本線で北上+「青春18きっぷ」1枚>>表をご覧ください

1007p07.jpg  東京から「18きっぷ」で普通・快速列車だけで北海道へ行くことを目指すなら、快速「ムーンライトえちご」+羽越・奥羽本線経由か、あるいは「北海道&東日本パス」を使うのが便利かもしれません。特に18きっぷだと、盛岡~八戸間は「いわて銀河鉄道」と「青い森鉄道」になるため、3000円近い運賃を別払いする必要があります。(「北海道・東日本パス」なら無料)

 上野を朝早くに出発する列車から7時台まで、3つのプランを作ってありますが、どんだけ頑張っても普通・快速列車だけで、1日で行けるのは青森の先の蟹田までです。

 5時46分発は上りの「ムーンライトながら」で着いた場合や東京の東側に住んでいる(間に合う)人のためのものです。

 6時49分発(快速)は、東京の西側に住んでいても乗れる可能性が高い時刻だと思い、作ってみました。また、宇都宮まで快速列車なので若干楽です。

 7時58分発(快速)は、山形や秋田方面へ行く場合に便利な列車で、奥羽本線に乗る場合、これより早い列車で行っても着く時間は変わりません。(福島と米沢の間、峠を超える列車がほとんどないため) 

1007p06.jpg いずれにせよ、東北本線の旅は、車窓の面からも、車両の面からも辛いことが多い気がします。

 東北地方では道中の半分以上は「通勤電車」のようなロングシート車になることは確実ですし、車窓にも大きな変化があるわけではありません。

 方々に寄り道をして、楽しみながら青森まで行くか、あるいは車窓面では快速「ムーンライトえちご」+羽越・奥羽本線経由が一番いいかもしれません。

 なお、ページの下部に北海道へ渡った場合の到着時間も算出してみました。

 札幌より遠くへ行くなら、「北海道・東日本パス」で夜行急行「はまなす」を使うのが便利です。翌日には普通・快速列車だけでも網走や根室に行くことが可能です。

 「18きっぷ」の場合は、青森~函館間の深夜フェリーで北海道に渡り、函館の町や函館本線の車窓をじっくり楽しみながら、時間をかけて北上するのが良さそうです。(最も北海道らしさを味わえるルートです)

 

 以上、いかがでしたでしょうか。

 なお、上記の到着時刻は、列車が遅れない前提で作っています。少しでもダイヤが狂うと、たどり着けなくなる可能性があることをご了承ください。

 なんかプランを作っただけで満足してしまい、旅に出た気になりました。実際にこれを実践する元気は、今のところはなさそうです。。