沖縄と島根県にある行きたくても行けない離島

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 再開6日目になりました。
 今夜は尖閣(せんかく)諸島と竹島という、日本人が行きたくても行けない2つの島について書いてみます。
 昨日は靖国神社、今日は領土のことなんていうと、あたかも特定の思想を持つかのようですが、単に離島好きというだけです。自分なりに調べたありきたりの情報にすぎませんが、下記にまとめてみました。詳細を知りたい方は、ぜひリンク先もご覧ください。

 なお、この情報は外務省や東京都など日本国内の資料によるものなので、いわば日本側の主張が多分に含まれています。台湾、中国、韓国側の公式見解はあたれませんでした(中国語と韓国語に大いなる難がありますゆえに......)。

【尖閣諸島】明治時代、鰹節工場が作られ日本人が住んでいた

 尖閣諸島の場所は沖縄県石垣市。石垣島から北方約130~150kmの地にある魚釣島、久場島、大正島など5島からなる。
 1885年(明治18年)に明治政府が現地調査、中国・清朝の支配下にもないとして1895年(明治28年)に日本の領土に編入した。
 翌年、政府は福岡県八女市出身の実業家・古賀辰四郎に無償貸与。その後、古賀が魚釣島に鰹節工場などを設置。「多い時には200名ほどが魚釣島の鰹節工場で働き、久場島でアホウドリなどの海鳥を捕獲していました」(「尖閣諸島の写真と地図集」より)。なお、そのころの写真がサイト「尖閣諸島の写真と地図集」に多数掲載されている。

 1940年(昭和15年)頃に無人化。第2次世界大戦後は沖縄の一部として米国の支配下におかれる(といっても無人島だが)。1971年(昭和46年)に日本返還(沖縄と同時返還なので1972年ともいえる)。
 日本返還に先立つ1968年(昭和43年)には、イラクに匹敵する石油埋蔵量の可能性明らかとなっており、その後、中国や台湾が突如領有権を主張し始めた。
 日本の立場や経緯については、外務省が「Q&A」方式で分かりやすく説明している。
 
 現在、日本が実効支配しているが、渡航するのは極めて難しい(船をチャーターするしかない)。

【竹島】江戸期から日本人と朝鮮人が行き来していた島?

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 竹島の場所は島根県隠岐の島町。隠岐から約160kmの地にある東島(女島)、西島(男島)の小島からなる。面積では日比谷公園とほぼ同じくらい。
 江戸時代初期には、米子の町人である大谷甚吉、村川市兵衛が鳥取藩の許可を得て、鬱陵島(現韓国領)でアシカやアワビの漁獲を行っていたという。1692年、村川家が鬱陵島におもむくと、多数の朝鮮人が漁採に従事していたというから、竹島も両国の人が行き来していた可能性がある。
 1880(明治13)年に明治政府が竹島の現地調査を行う。1905(明治38)年1月、閣議決定によって竹島を「隠岐島司ノ所管」と定めた。同島ではアシカの捕獲が1941(昭和16)年まで続けられた。

 第二次世界大戦後、1952(昭和27)年1月に韓国の李承晩(イ・スンマン)大統領が「李承晩ライン」を一方的に設定し、そのライン内に竹島を取り込んだ。1954(昭和29)年6月、韓国沿岸警備隊の駐留部隊を竹島に派遣。現在まで韓国の実効支配が続く。
 外務省のページには問題を整理したパンフレットのPDF版があり、分かりやすい。また、山陰中央新聞社のページは簡潔に理解できる。

 竹島は、韓国が実効支配しているので、訪問するためには韓国経由で行くしかない。
 外務省は「韓国による竹島の不法占拠が続いている状況の中で、我が国国民が韓国の出入国手続に従って竹島に入域することは、当該国民が竹島において韓国側の管轄権に服することを認めたとか、竹島に対する韓国の領有権を認めたというような誤解を与えかねません」と日本人の渡航自粛を呼びかけている。


 以下は個人的な感想です。

 現在、日本が実効支配(?)する尖閣諸島はかつて日本人が住んだ証拠がありますし、米国から沖縄が返還されている以上、日本の領土と見て間違いないと思います。
 台湾と中国が自国の領土だと主張する根拠がよく分からないのですが、埋蔵の可能性がある石油が目的なんでしょうか。
 それまでまったく領有権を主張してこなかったのに、これではご都合主義的な感がぬぐえません。(どさくさまぎれに北方四島を強奪したソ連・ロシアよりはマシですが)

 一方の竹島です。
 かつて朝鮮人(現在の韓国)も行き来していたとみられる点や、ほぼ無人島だったこと、既に韓国側が強固に実効支配していることを考え合わせると、日本側の分が悪い気がします。

 今年、隠岐へ行ったのですが、一番近い場所でさえ、それほど熱心に返還を求めていないように見えたのは気のせいでしょうか。やはり、住人がいなかったという点が大きいのかもしれません。李承晩ラインによる根拠なき不法占拠という面では国際社会に訴え出て争う余地がありそうですが、日本政府もそれほどヤル気があるように見えないのは、国民の無関心さも背景にあるのでしょうか。

 いずれにせよ、両島とも容易に行ける場所ではないことは確かなようです。

写真左上は、手前から尖閣諸島の南小島、北小島、魚釣島(防衛省「第5航空群は東シナ海の警戒、監視を行っています~ご存知ですか?ガス田群 尖閣諸島」[PDF]から転載)

※写真右下は外務省アジア大洋州局北東アジア課による冊子『竹島問題を理解するための10のポイント』[PDF]から転載