2011年3月、JRダイヤ改正など鉄道ニュースが多数

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 大変ご無沙汰しております。ほぼ1カ月ぶりになりました。今回も少し長くなってしまいましたが、鉄道に関する内容を書いてみます。

 昨夜(2/19)、個人で運営するサイト「鉄道紀行への誘い」にある「青春18きっぷ・フリーきっぷ情報リンク集」を更新しました。

 元々は自分が旅をする際に便利なサイトやページのリンクを集めて公開したものでしたが、今ではサイト本体より多くの方に見ていただいております(本weblogよりも閲覧数は各段に多いです)。
 内容は、「青春18きっぷ」や「北海道&東日本パス」、夜行快速列車の運転情報など格安旅行に欠かせない情報を含め、ダイヤ改正や列車改廃などのニュースへのリンクを定期的に追加している情報ページとなっています。

p110219p02.jpg そのページを昨年末以来、久々に更新したところ、情報を探す過程で色んな鉄道関係のニュースを知ることになりました。
 
 そろそろ気になると思いますので、ここに載せた写真の説明をいたしますが、右上は寝台特急「はやぶさ」の2009年の写真です。
 左側は寝台特急「さくら」「はやぶさ」が合理化で合併され、一緒になって運行されていた頃(2004年)の写真です(ヘッドマークが上手く写っていないのはすみません...)。
 先に言いますと、「はやぶさ」「みずほ」「さくら」など伝統の寝台特急を廃止しておきながら、気易く列車名だけ「復活」させているJR当局に対する私なりの軽い皮肉なので気になさらないでください。

 3月からJR東日本の東北新幹線では、「はやぶさ」と称する最速列車が一日2往復ほど運転されるようです。
 九州では「九州新幹線」の博多~西鹿児島、いや鹿児島中央(郵便局と間違いそうな駅名だ)間が全線開通し、山陽新幹線の新大阪~鹿児島中央間などに「みずほ」とか「さくら」とか称した直通列車が走るらしいです。

 また新幹線の皮肉ばかり書いていると読者が減ってしまいそうですので、真面目に書きますと、3月から「はやぶさ」の東京~新青森間は最速3時間10分、「みずほ」は新大阪~熊本間を最速2時間59分、同鹿児島中央間を3時間45分で走るようになります。

 現在、飛行機で移動すると、東京羽田~青森間は約1時間20分(鉄道比マイナス1時間50分)、大阪伊丹~熊本間は約1時間10分(同1時間50分)、大阪伊丹~鹿児島間は約1時間15分(同2時間30分)という状況です。
 時間だけで見ると、鉄道が不利にも見えますが、決して便利ではない各空港へのアクセス(熊本も鹿児島も空港は中心部から遠い)や、人の手荷物を無用にかき漁られたり、ポケットの持ち物まで提示させられたり、健康診断のごとく人体スキャンをかけられたり、そうした愉快ならざる手間(セキュリティ上は仕方がないのですが)を考えれば、いつでも乗れる新幹線の利便性は、決して飛行機に劣らないのではないでしょうか。

 なにより、新幹線の駅はほぼ街の中心部にあるので、アクセスバスの無駄な時間と交通費を使わずとも済みます。もう鹿児島から青森まで、本州の移動は新幹線で間違いありません。会社の経費出張で自らのマイルを貯め込んでいる清廉潔白なビジネス・パーソン(私も「清廉潔白」なので気持ちは十二分に理解できますが)を除いては、ぜひ、今後は便利で快適な新幹線がおすすめです。

 寝台特急や夜行列車を廃し、在来ローカル線を見捨てるなど「血」を流して建設した分、せめて飛行機に勝ってほしい、それだけが願いです。

 ということで、微妙な感情の残る新幹線の話題はさておき、このほか2011年に入ってからの気になった鉄道関連のニュースを紹介するとともに、それに対するコメントなどを以下に書いてみます。

※公式情報は「詳細」と書いたところや下線のある文字部分をクリックすると、公式ページやpdfファイルに飛びます。
※2011年2月から3か月以上経つとリンク切れになることが多々ありますのでご了承ください



■JRグループ、「青春18きっぷ」来冬までのスケジュールを決定、例年と変わらず>>詳細

 
今年も無事「青春18きっぷ」の存続が決定しました。今や全国のJRをまたいで発売されている有名な企画切符は「18きっぷ」くらいになってしまいました。ゆえに、各社の思惑が入り混じり、廃止の噂もない訳ではありません(何の裏付けをとったわけではないです)。
 ここまで有名な切符がもし廃止決定となったら、マスコミに意図的な事前リークをするでしょうから、今年秋くらいが一つの山場かな、とか一人勝手に思ったりしています。

■JR北海道・東日本が「北海道&東日本パス」来冬まで発売日程を決定、夏は期間長めに>>詳細

 こちらはJR東日本が主導(JR北海道は追随させられている?)しているものなので、価格据え置きで7日間有効になったり、全急行に乗れるようにしたり、子供料金が設定されたり、ますます便利な企画切符になっています。今夏は9月末まで使えるように延長されました。かなり自由な制度変更が行われている点も巨大1社が主導しているがゆえかもしれません。
 ただ、風向きが変わるとあっという間に廃止されてしまうという懸念もあります(最近は発売のニュースリリースさえ出さなくなった)。

JR東海が熱海~静岡間のJRやバス・船など1日フリーの「富士山満喫きっぷ」を6/30まで発売>>詳細[pdf]

 富士山が国の史跡に指定されたということで、JRだけでなくフェリーやロープウェイまで交えたユニークなフリー乗車券が6月末まで3000円で発売されます。熱海駅(JR東海の新幹線乗り換え口のみ)でも買えるので、首都圏からの富士山・静岡観光にも使えそうです。
 加えて大阪や名古屋からは、往復の新幹線自由席がセットとなった「富士山フリーきっぷ」も発売されるのですが、価格は大阪市内発着で2万3200円、名古屋市内発着で1万5800円となっています。
 大阪発は、熱海までの新幹線自由席の往復運賃を2倍して100円を加えた金額、名古屋発は同じく60円をプラスしたものです。「ドル箱の東海道新幹線を割引してたまるか!」というJR東海の執念のようなものを感じる価格設定でした。

JR北海道などが稚内駅の再開発で新駅舎、4月3日に完成へ>>詳細[pdf]

p110219p03.jpg  同地の市民でもない人間がとやかく言うべきことではないとは思いますが、やはり旅行者にとって稚内は特別な場所だと思うのです。苦労してたどり着いた最北の駅に、「リトル東京」が現われたとしたら...。
 1994年、稚内駅近くに高層の全日空ホテルが開業した時以上に、駅付近は「最北」の雰囲気が消えていくんだろうな、と感じています。(写真は旧稚内駅)

JR八王子支社が横浜線~河口湖直通の快速「富士河口湖号」を3/19~4/2の土曜に初設定>>詳細

 
今回はわずか3往復だけですが、こういう新しい経路の快速臨時列車が生まれるのは面白いですね。車両も国鉄時代の115系(昔横須賀線で走っていたもの)で全車自由席です。新しい需要を開拓して定期的に運転を続けてほしいものです。

JR福知山支社、山陰本線の豊岡~鳥取間に臨時快速を4~6月の土日曜日に初設定>>詳細[pdf下部]

 
こちらも新しい需要を掘り起こすための臨時快速列車です。現在、列車名を考えているようですので、上手くいけば半定期化されそうです。
 山陰本線の城崎温泉より先、兵庫県部分は関西地区の中では最も素晴らしい車窓が見られる区間で、日本一の車窓を誇る山陰本線の中でも1~2番目に入ります(このあたりは拙著『週末夜汽車紀行』をお読み頂けますと幸いです)。
 城崎を出発し、幾度もトンネルをくぐって日本海が現れた時の感動は格別です。餘部鉄橋は高速道路の橋梁のごとくなってしまいましたが、車窓の面白さは変わりません。快速列車で観光客を誘致する価値はあると思います。

JR九州、3月のダイヤ改正で自社内唯一の夜行特急「ドリームにちりん」を廃止>>詳細[pdf]

 
もう日本では夜行列車が過去のものとなりそうです。JR九州内では完全に夜行列車が消えることになりました。これ以上のコメントはやめておきます。

JR各社、高速道路の無料化や上限料金制度の設定により「鉄道事業は大きな影響」と危惧>>詳細

 
我々の血税で作った高速道路なので、無料で使う権利はあると思うのですが、民業を圧迫するのはいかがなものでしょうか。JR四国は経営の危機にも直面していますし、JR北海道でも特急の減便や減車が行われています。難しい問題です。

西日本JRバス、九州JRバスが大阪~福岡間の「山陽道昼特急博多号」を3月末で「廃止」>>詳細

 人気の「昼特急」シリーズも、ついに格安団体ツアーバスに敗退したということなんでしょうか。それとも、この区間にそもそも需要がなかったのか。あるいは長距離を運行するがゆえの難しさがあったのか。理由は分かりませんが、 JRバスグループの「人気商品」だっただけに、少し残念です。ただ、公式発表では「休止」となっていますので、将来の再開に含みは残されているのは幸いです。

 以上です。長くなってすみません。
 これ以外の春・GWの臨時列車情報などは
「青春18きっぷ・フリーきっぷ情報リンク集」をご覧ください。